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少年の一年を描いた物語「フェリーニのアマルコルド」

1930年代のイタリアのある小さな街の、15歳の少年チッタの目を通し一年のエピソードを描いた物語。少年チッタは母の死、初恋、失恋、性の目覚めをこの一年で経験をします。虚構と現実の世界が入り交じり、まるでおとぎ話のような映画。視覚的にもとても美しく、とりわけ冬の空に孔雀が舞い降りるシーンは美の頂点を極めたような場面です。人工美の美しさを存分に堪能できる映画となっています。

投稿記事

フェリーニの少年期の思い出を再現した自伝的映画

■作品名
フェリーニのアマルコルド
■監督
フェデリコ・フェリーニ
■主演
ブルーノ・ザンニ
■VHS販売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
■出版社
早川書房


1930年代のイタリアのある小さな街の一年、ムッソリーニが台頭してきた頃、ある15歳の少年チッタの目を通し、一年のエピソードを描いた物語。この一年を通し、少年チッタは母の死、初恋、失恋、性の目覚めをこの一年で経験をします。

この映画の題名「アマルコルド」は「エム・エルコルド」がなまったものらしく、日本語で「私は覚えている」という意味らしいです。実際この映画はフェリーニの少年期の思い出を再現した自伝的映画だということです。

虚構と現実の世界が入り交じり、まるでおとぎ話のような映画です。視覚的にもとても美しく、とりわけ冬の空に孔雀が舞い降りるシーンは美の頂点を極めたような場面です。人工美の美しさを存分に堪能できる映画です。

私の好きなシーンはラストのチッタの憧れの女性の結婚シーン。春の空に綿が舞い渡り、結婚式を思う存分楽しむ人々、人生の喜びが感じられると共に、失恋を通してチッタが少年から青年へと変化する、なんとも甘酸っぱいシーンでもあります。映画の冒頭のように、また春がやってきました。季節はこのようにして巡る、そして人生も続いていくということを感じさせられるラストシーンです。

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