夢見る青年たちを襲う戦争の影……
■作品名ビッグ・ウェンズデー
■監督
ジョン・ミリアス
■主演
マイケル・ヴィンセント、ウィリアム・カット、ゲイリー・ビジー
■DVD販売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
青春の日々。紺碧の海、照りつける太陽。白い砂浜で戯れるビキニの美女たちに、真っ白い歯を光らせて笑う日焼けしたサーファーたち。
バブル世代の日本の若者が夢描くような青春群像。これはそんな映画だと思います。
1960年代初頭。カリフォルニアの海辺の町で、マット、ジャック、リロイを中心とするサーフィン・グループは、日ごと海岸に集まり腕を競い合いながら、世界最大の波“ビッグ・ウェンズデー”に挑戦することを夢見ていた。
そんな折、彼らにもベトナム戦争の徴兵令状がきてしまう。グループの大半が懲兵を免れようとするが、優等生のジャックは懲兵検査を受けて、ベトナムへと出征してしまう。
青春の日々はいつまでも続かない。結婚して家族をささえる厳しさを知るもの、街を離れるもの、そして死んでしまうものも。
ベトナム戦争が終わった1970年代の半ば、ついに“ビッグ・ウェンズデー”が到来する。彼らはあの日の約束を、忘れていなかった。戦争前と変わりなく、まるで昨日もそうだったというように、サーフボードを小脇に抱え、彼らは“ビッグ・ウェンズデー”に向かっていくのだった……。
普段あまり見ない、真正面からの青春映画であるこれを観たのは、主演のひとり、マイケル・ヴィンセントさんを観たかったからです。
小学生の頃テレビで見かけてはまった「エアー・ウルフ」というアメリカテレビドラマで、彼はすこし影のある渋いおじさん一歩手前のパイロットの役をしていました。この映画でも、その影は見えますね。
運動神経は皆無なわたしですから、海岸に行っても波打ち際でちゃぷちゃぷ泳ぐくらいで、自分の身体よりはるかに高いところから覆いかぶさるように迫るあの波に乗るなんて、とてもとても。
でもマットやジャックのように、その波と戯れることができたら、きっと楽しいだろうなと思います。