全編登場人物は2人だけ! 演技力がモノをいう作品
■作品名探偵スルース(原題:SLEUTH、1972年)
■監督
ジョセフ・L・マンキウィッツ
■主演
ローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン
ロンドンの郊外に住む推理作家のワイクは、彼の妻と愛人関係にある美容師マイロを自宅に呼んだ。
そしてマイロが妻と一緒になりたいという意思を聞き、ワイクは妻を渡す条件として、家に置いてある宝石を盗むよう命じる。
A・シェイファーの舞台劇を映画化した作品で、2007年にはリメイクが作られました。
舞台劇を映画化ということでか、台詞の言い回しが舞台劇っぽいのも魅力のひとつです。
全編登場人物は、名優ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの2人だけ。
台詞によるやり取りが中心ですが、俳優の演技力がかなりモノをいう作品なのです。
屋敷の中もワイクの趣味である古い玩具が所狭しと置いてあり、そういった独特な雰囲気も印象的です。
2人の男の”ゲーム”による駆け引き。
コミカルな演出もほどこしながら、飽きさせない手腕はさすがですね。
そして、推理をしながら考えるのがミステリーやサスペンスの楽しさですが、この作品は推理させる度合いは少ないものの、先が読めそうで読めないという点が見事です。
ひとりの女性を巡る男のプライド。
如何に相手を出し抜き、ギャフンと言わせ、自分の自尊心を満たせるか?というゲームの終わりはどうなるか?
2人の腹の探りあいは予測不能でした。
そして、「なるほど~」というオチに、どこか気分がスッキリ。
先が読めず、思わぬ展開もまた、ストレス解消になるんですね。