容疑者と真犯人と警部の3人の視点から描かれる殺人事件
『フレンジー』(Frenzy、1972年公開)
■監督アルフレッド・ヒッチコック
■主演
ジョン・フィンチ、バリー・フォスター
■DVD発売元
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ネクタイで女性を絞殺する連続暴行殺人事件を巡るサスペンス・スリラー。
教科書のようにヒッチコックのテクニックが満載の一作です。
冒頭の丁寧なシーンの繋ぎ。
緊張感と臨場感を高めるロングテイク。
印象的なカットの連続。
緊張感と息抜きの絶妙なバランス。
映画のお手本ともいえる撮影、編集に感動します。
もちろんテクニックだけが魅力なのではなく、技法など気にせず映画を純粋に楽しむ観客を夢中にさせる完成度の高い作品です。
長回しのシーンは子供だった自分の心に残りましたが、お気に入りは普段冷静な犯人が死体から証拠品を取ろうと必死になるシーン。不覚にも、とっても悪い犯人を心配してハラハラしてしまうのです。
容疑者と真犯人と警部の3人の視点から描かれる殺人事件。
あなたは誰を応援して観るだろうか?