随所に伏線を張り巡らせた巧みなストーリー展開
■作品名スティング(73)
■監督
ジョージ・ロイ・ヒル
■主演
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード
■DVD発売元
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
■Blu-ray発売元
ジェネオン・ユニバーサル
『明日に向って撃て!』(69)に続いて、監督ジョージ・ロイ・ヒル、主演ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードのトリオが作り上げた快作コメディです。
1936年のシカゴ、ギャング組織に仲間を殺された下っ端詐欺師のフッカー(レッドフォード)は、大物詐欺師のゴンドルフ(ニューマン)と組んで、組織のボスのロネガン(ロバート・ショウ)への復讐を企てます。
この映画は、観客をだますことに腐心して作られているので、ストーリーについてはあまり多くは語れません。
実際に見て、だまされる快感を味わって笑ってもらうのが一番だと思います。
と言う訳でディテールの紹介を。
ニューマン、レッドフォードに加えて、レイ・ウォルストン、ハロルド・グールドといった名脇役が演じる詐欺師たちが、各地から集まってきます。彼らがどんな役割を果すのかが見ものです。
音楽のマービン・ハムリッシュは、20世紀初頭に作られたスコット・ジョプリンのラグタイムピアノ曲を映画に使い、サウンドトラック盤は大ヒットを記録しました。
アカデミー賞の常連であるイーディス・ヘッドが担当した衣装のほか、大道具、小道具などの全てをひっくるめて見事に30年代を再現。
アカデミー賞では作品、監督、脚色、編集、美術、衣装デザイン、音楽の各賞を受賞しました。
この映画は、もちろん、ラストの大どんでん返しを知らずに見る方がいいのですが、たとえ結末を知った後でも、随所に伏線を張り巡らせた巧みなストーリー展開や俳優たちの見事な演技、凝ったファッションなどで、何度見ても楽しい気分にさせてくれます。
落ちが有名な古典落語も、名人が語れば何度聴いても楽しいではありませんか。
見終わった後で、思わず「いよっ名人芸!」と一声掛けたくなる映画です。