もっと気軽に楽しみたい、泡盛の話

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製造量が少ないため、幻の酒の異名を持つ波照間の泡波

沖縄に行ったら何を飲む?と聞かれて、「もちろん泡盛!」と即答するのはお酒が好きな人。でも、あまりお酒が得意でないという人も、旅行中はその土地のお酒にトライしたくなりますよね。沖縄といえば、島酒、つまり泡盛ですが、一昔前まで泡盛はすごく強いお酒で、いかにもお酒飲みが飲むお酒というイメージで捉えられていたと記憶しています。最近は沖縄へ行く旅行者が増えたことで、沖縄ではもちろんのこと、沖縄へ行かなくとも近くの沖縄料理屋で泡盛を飲んだり、自宅にボトルを常備したりと、ずいぶんと身近な存在になったようです。自分ではあまり嗜まなくても、沖縄旅行のお土産としていただいたことがあるという人も多いのではないでしょうか。とうことで、今回は夏に美味しい泡盛のお話をしましょう。

泡盛、基本の話

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与那国島の島酒。60度のものは花酒と呼ばれるもの

まずは、泡盛の基本から少し。泡盛はタイ米を使った蒸留酒で、焼酎には白麹が使われるのに対して、黒麹が使われるのが特徴です。度数としては多くの泡盛が30度くらいで、これは焼酎と同じくらい。最近では25度とちょっと度数が低めのマイルドを唱ったものもあります。また、与那国島では花酒と呼ばれる60度の泡盛が作られていますが、こちらは法律的にはスピリッツ類に分類されるます。

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やんばるは水が美味しいので泡盛も美味! 田嘉里酒造所の人気銘柄、山原くいな

よくお酒呑みの本島からの旅行者が泡盛を飲む時にロックで飲むことに島の人たちが驚く、という場面に出くわします。島の人たちが驚くのは、沖縄では泡盛は基本的に水割りで飲むもので、ロックで飲むという人にはなかなかお目にかからないから。というのも、沖縄の人はお酒を長時間飲むことが多く、ロックで飲んでいたらすぐに酔っぱらってしまうし、そもそも泡盛自体がロックで飲むよりも水で割って飲んだほうが美味しい飲み物だから。ガイド自身もお酒は大好きでよくいただきますが、泡盛は断然水割りの方が美味しい、いや、水で割って飲むものだと思っています。なので、普段焼酎をロックでいただいているという人も、ぜひ泡盛は水で割ったものを試してみてください。水割りでは物足りない!という人は、濃い水割りにすれば満足できると思います。ロックで飲むよりもずっと味がまろやかになり、泡盛特有の軽やかな甘い香りを楽しむことができます。もちろん、度数が軽いものであれば、ロックもアリだし、基本的には個人のお好みでよいので、あくまでも一般的なお話です。

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古酒を作るにはこうやって瓶に入れて涼しい場所で保管します © Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

さて「泡盛は水割りで飲むもの」と豪語した後になんですが、古酒となるとまた話は別です。泡盛の古酒とは、泡盛を3年以上寝かせたもののことで、年月をかけて寝かされた古酒の味は、年代もののウイスキーやブランデーと並べられる美味しさで、言わばヴィンテージ泡盛という感じです。この古酒の場合は、水で割らずにストレートやロックでいただくのがおすすめ。ウイスキーやラムも美味しいものは割らずにロックやストレートで飲むのがおすすめとなるのと同じです。

泡盛の飲み方、もっといろいろ

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カラフルな色合いが美しい琉球グラス。水割りはもちろん、簡単なカクテルも琉球グラスでいただくと、気分は沖縄です

泡盛の基本を理解した上で、ここからはもっと自由に楽しみたい泡盛の飲み方色々をご紹介しましょう。やれ、水割りだ!ロックだ!なんていうのは、やっぱり基本的にお酒呑みの話で、体質的にアルコールに弱いという人も多くいらっしゃるはず。普段あまりアルコールを嗜まない人や、泡盛は飲み慣れないという人が泡盛をいただく場合、さんぴん茶やシークワサーで割るのがおすすめです。また、本州の人にコレを言うとたいがいビックリされるのですが、沖縄ではコーヒー割りというのも普通にあります。アイスコーヒーと泡盛を割ったもので、インスタントコーヒーでも問題ありません。お好みで牛乳を入れてコーヒー牛乳と泡盛というのもあり、泡盛の風味をコーヒーが消してしまうので、ウソのように飲みやすくなります。泡盛の味自体を楽しみたいお酒呑みの人にはおすすめしませんが、泡盛はあまり得意でないという人は、まずはコーヒー割りから始めてみるといいかもしれません。ただあまりにも飲みやすくなるので、飲み過ぎに注意です! 調子に乗って飲んでいると、必ず後で後悔することになりますよ。

最近は泡盛を使ったカクテルもたくさんの種類があって、女性に人気です。ホテルのバーはもちろん、街中のバーや飲食店で様々な泡盛カクテルメニューを目にしますね。泡盛+ブルーキュラソーが目を惹く泡盛版トロピカルカクテルの「ニライカナイ」や泡盛+ライチリキュールで琉球王府時代を表現したロマン溢れる「レキオ」など、泡盛カクテルとしてすでに定番化しているメニューも多く、あちこちのお店で飲み比べてみるのも楽しいかも。また、カクテルのスタンダードメニューを泡盛で置き換えたものもおすすめです。ガイド的には、テキーラサンライズやカイピリーニャなど、テキーラやラムを使ったカクテルは泡盛でもすごくいけそうだと思うのですが、どうでしょうか?

自宅で気軽に楽しむなら、シークワサーの原液ジュースと炭酸水またはトニックウォーターで作る簡単シークワサーカクテルがおすすめ。これなら生のシークワサーがなくても手軽に沖縄気分を味わえます。また、梅酒の梅の実を叩いて炭酸水とミックスするのもなかなか美味。これは、ガイドが梅酒を浸けた時の梅が余って仕方なく、その消費のために思いついた簡単カクテルです。

泡盛を買う時のヒント

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「イヌーカー」と呼ばれる湧き水を使用している伊平屋島の照島。本島でも北部に行くとスーパーの棚に並んでいます

泡盛が島酒と呼ばれるのは、島によってそれぞれの泡盛があるから。沖縄には全部で48の酒造所があり、その銘柄は200種類以上と言われています。沖縄本島の他酒造所があるのは、伊平屋島、伊是名島、久米島。宮古地方では、宮古島と伊良部島。八重山地方では石垣島、波照間島、与那国島となっています。離島にも酒造所がある島が多く、そしてその多くは地元で消費されてしまうのが沖縄の特徴です。なので、沖縄に行ったら、まずは地元のスーパーや商店を覗いて見るのがいいでしょう。沖縄本島においても、那覇と中部、北部など、場所によって同じスーパーでも置いてある銘柄が異なります。

例えば、北部の本部のスーパーでは、久米仙美しき古里残波といった広く流通している銘柄に加え、那覇のスーパーではあまり見かけない龍泉珊瑚礁といった北部の酒造所で造っている銘柄や、伊是名島の常磐なんかもごくごく普通に置いてあったりします。もちろん専門店に行けば色々と揃いますが、スーパーの方が手軽だし値段も安く購入できます。特に、滞在中に飲む泡盛は特地元のスーパーや商店で手に入れるなど、賢く利用するのがいいでしょう。離島でも酒造所がある島なら、まずはその島のお酒を飲むべし。

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那覇の公設市場で売っているお土産用のミニチュア泡盛

そして、知らないお酒や初めて見る銘柄のものでもあまり身構えず、気軽に買って飲んでみることをおすすめします。200種類もある泡盛の、そのほとんどが外へ流通することなく地元で消費されてしまうので、私たちが本州で普通に目にする泡盛は、大きな酒造所が大量に生産しているものです(中には本州での方がいい値段で売れるので、本州では売られていても沖縄ではあまり見ないという特殊な泡盛もありますが)。少量しか製造していない泡盛を楽しむ機会があったなら、そのチャンスは逃さないように! また、色々と泡盛を取り揃えている酒屋では、ホコリを被ったような瓶の泡盛がいいかもしれません。普通の泡盛が、お店に置かれているうちに古酒となっていることも! 

泡盛を楽しむ小物

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やちむんのカラカラでいただく泡盛は美味しさも一際です! © Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

さて、最後にちょっとだけ、泡盛を楽しむ小物の話。自宅で泡盛をいただく時はやっぱり沖縄ガラスのグラスが気分ですね。カラフルで丈夫な琉球グラスは沖縄旅行のお土産としていくつか揃えている人が多いのではないでしょうか。そして、泡盛をいただくならひとつ揃えておくとグンと気分が盛り上がるのがカラカラです。カラカラとは日本酒で言えばお酒を入れる徳利のようなもの。沖縄の居酒屋でボトルでなく泡盛を頼むと、このカラカラに入って出てきますね。カラカラに入れて泡盛をいただくと、ぐんと雰囲気が増します。持っていないという人は次回の沖縄旅行でやちむんのカラカラを手に入れてみてはいかがでしょうか?
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