商店街が家の近くにあると、毎日の生活がとても便利になります。大型スーパーが近くにあればそれで十分だと思う人もいるでしょうが、個性的なお店が連なる賑やかな商店街は、歩いているだけでも楽しくなります。スーパーでは味わえない独特な雰囲気もあるでしょう。
商店街そのものが観光地のようになり、地元以外から多くの客を集めているような例もあります。人が集まることで利便性が増し、街の活性化にもつながります。
商店街によって作られたイメージが、そのまま住宅地の人気へとつながることもあるでしょう。おしゃれな雰囲気のお店が多い自由が丘は、「住みたい街ランキング」のような調査で、いつも上位にランクインしています。
もちろん、ひとくちに「商店街」と言ってもその規模やお店の種類は千差万別です。商店街の規模がそれなりに大きければ何でも揃うでしょうが、規模が小さめで特定の業種に片寄っているような例もあります。「○○商店街」と名前が付いていても、実際には数えるほどしかお店がないこともあるでしょう。家探しに合わせて近くの商店街を確認するときには、「何があるか」よりも「何がないか」といった視点で見るほうが良いかもしれません。
お店の種類と同時に、その商店街の特徴もしっかりと感じ取っておきたいものです。古くからある商店街には独特な雰囲気があるほか、他ではなかなか見かけないようなお店が営業していることもあります。商店街振興のためにどんな取り組みが行なわれているのかを知ることで、街の住みやすさを感じられる場合もあるでしょう。
その一方で、全国的に商店街の衰退も大きな社会問題となっています。東京など大都市でも例外ではなく、大半のお店が廃業した「シャッター商店街」が区部にも現れ始めています。不動産広告や営業担当者の説明で「物件の近くに商店街があるから便利」と言われても、それを鵜呑みにせず自分の目でしっかりと確かめてみることが大切です。
活気が失われた商店街では、夜7時頃になると大半の店が閉まってしまう場合や、多くの店が日曜・祝日定休になっている場合などもあります。家の近くに商店街があっても、共働き夫婦にはほとんど利用する機会がないこともあるのです。
購入しようとする物件の近くに商店街があれば良い、というわけではありません。自分たちが必要とするお店が揃っていることと同時に、自分たちが利用する曜日や時間帯にそのお店が営業していることが大事ですね。