電気自動車はどれくらい走れるのか

よく「電気自動車の航続距離は○○km」という言葉を耳にしますが、そもそも航続距離とは一体何なのでしょうか? ご存じの方も多いと思われますが、航続距離とは燃料満タン・満充電の状態で走ることができる距離のことです。ガソリン車が一度の給油で400kmや500km走ることができるのに対し、電気自動車は、三菱自動車のi-MiEVはJC08モードで180km、日産自動車のリーフはJC08モードで228kmというように、一度の充電で確保できるその航続距離はまだ決して長いとは言えません。

電気自動車は航続距離が短いため、「まだ走れるが念のために充電しておこう」という心理がガソリン車より強く働きます。よって、航続距離が160kmの電気自動車であったとしても、一充電で実質運転するのは100~130km程度であると予測され、更にブレーキの頻度や道の整備状況、上り坂か下り坂かによっても航続可能距離は大きく伸び縮みします。特にエアコンやヒーターを使用すると、航続距離が半分ほどに減ってしまうのです。しかしこの航続距離は、実は電気自動車を購入している多くのユーザーの日常生活でのニーズを満たしています。

ユーザーに求められる車の走行距離

ユーザーに求められる車の走行距離

国土交通省の自動車輸送統計によると、自家用乗用車の一日あたりの平均移動距離は38.7km、軽自動車は27.8km、営業用乗用車は18.7kmとなっており、三菱自動車による全国のドライバーアンケート調査の結果では、1日の平均走行距離は、平日では約90%の方が40km未満、休日では約80%の方が60km未満となっています。これらの走行距離を、現状の電気自動車は十分にカバーできているのです。

すなわち、多くのドライバーが実際に運転している距離は400kmや500kmといった長距離ではなく、60km未満という短い距離が多数を占めています。電気自動車は多くのドライバーにとって必要な距離を走ることができると言えるでしょう。


電気自動車の航続距離は本当に短いのか

現状の電気自動車は長距離の旅行や輸送に適しているとはまだ言えません。一方で、多くのユーザーの日常生活に支障をきたさないスペックは備えており、荷物集配業務を始めとする商用車、営業車としても十分通用するという声が多く聞かれます。長距離を走れるようになってから本格的に普及するのではなく、商用車を中心に走行距離の短い限られたゾーンで活躍する車両から次第に普及していくことになるでしょう。

また、電気自動車を購入する際には、使用シーンに見合った航続距離が重要となり、高価なリチウムイオンバッテリーを搭載する電気自動車は、ただ航続距離が長ければ良い訳でもありません。

各社における走行距離に対する考え方

各社における走行距離に対する考え方

各自動車メーカーによって、航続距離に対する考え方の違いがあるのも事実です。従来のホンダの航続距離に対する考え方は、当時の福井社長のコメントによると「航続距離が500kmに満たないものは、ホンダの車とは呼べない」というものでしたが、一方、三菱自動車の益子社長は「100km以下の電気自動車の販売を検討する」という考え発表しました。このように、航続距離に対する考え方の違いにおいて、各メーカー間の環境対策車両に対する長期的な戦略から電気自動車の見方が異なってくるでしょう。