外貨預金・外貨MMF/外貨投資の魅力とリスク

外貨預金する?しない?メリットと注意点(2ページ目)

2012年末からの円安で、外貨預金をする人が増えているそうです。統計によれば、個人が国内にある銀行に預けている外貨預金の残高は6兆円を超えているとか。外貨預金のメリットと注意点をお届けします。

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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金利差によるメリットは小さい

数年前まで、外貨預金を利用するメリットとして、「円預金よりも外貨預金のほうが金利が高い」ということがありました。

外貨建てで高い利子がつく上に、預入時よりも円安になればさらに為替差益も得られました。預入時より円高になった場合でも、金利が高かったため、利子で為替手数料や為替差損を補えるケースもありました。

しかし現在では、先進国の通貨はそろって低金利。円との金利差によるメリットはあまりありません。

現在の外貨預金の金利水準は下の表の通りです。

■外貨預金の金利水準
外貨預金の金利水準

2013年7月24日現在。各行のサイトをもとにガイドが作成。ソニー銀行の英ポンド1年定期は1万英ポンド未満、豪ドル1年定期は1万豪ドル未満の場合(クリックの場合)


先進国通貨の場合、豪ドルをのぞき、金利は円預金とそれほど差がありませんから、外貨預金でお金が増えるかどうかは、為替の動向に大きく左右されます。最初にも言いましたが、今後、円安が進むかどうかがポイントです。

外貨預金には普通預金と定期預金があり、その金利差もそれほど大きくありません。預入期間を拘束されずに、為替の動向に応じて機動的に利用したいなら、定期預金ではなく普通預金を選択するのも手です。

キャンペーン金利は期間に注意

キャンペーンにより通常金利より高い金利が提供されることもあります。低金利の中、目を引きますが、キャンペーン金利の適用期間を必ず確認しましょう。

例えばキャンペーンにより1カ月定期の金利が6%、適用は最初の預入期間となっているなら、預入期間の1カ月の金利は、6%×12カ月分の1=0.5%です。最初の1カ月については外貨建て元本に対して0.5%の利子がつき、自動継続された後は通常金利で計算されます。

円預金と同様に利子には税金がかかる

外貨預金であっても、日本国内にある銀行支店に預けた場合は、円預金と同様に利子から20%の税金(所得税・住民税)が差し引かれます。さらに当面は復興特別所得税も上乗せされるので、利子のうち手取りは8割弱となります。

外貨預金は預金保険の対象ではない

円預金の場合は、預け入れている銀行が万が一破たんしても、預金保険制度により元本1000万円とその利息までは保護されます。しかし、外貨預金は預金保険制度の対象ではありません。為替の動向による元本割れのリスクに加えて、利用する銀行の経営状況によるリスクもあるということです。

外貨への投資手段は幅広く検討を

日本では今後、人口が減ることが予測されています。世界の中で日本の経済力が相対的に低くなるかもしれないこと(円安になる可能性)に備えて、あるいは日本にとらわれず海外の様々な国に資金を投じることを目的に、資産の一部を外貨建てにしておきたいと考える人もいるようです。

そのような場合の投資先は、外貨預金以外にも選択肢があります。例えば、外貨建てMMF(外貨建ての公社債投信)や、海外に投資する投資信託などです。

外貨建てMMFは、外貨預金と同じように為替手数料がかかり、外貨普通預金に近い感覚で利用できます。金利は外貨預金より少し高めの商品が多いようです。

単に為替による差益を狙うのではなく、経済成長による値上がりも期待するなら、海外の株式などに投資する投資信託も選択肢です。投資信託の場合は、購入時や保有期間中に手数料がかかります。

自分なりの為替に対する予想と、資産の配分を考えて、外貨に投資するのか、投資するならどんな商品を利用するのかを検討したいものです。

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