相続・相続税/相続税対策

平成27年相続税増税、対策には不動産か生命保険か(3ページ目)

平成27年より相続税が増税になります。生前の相続対策が注目されるなか、代表的な対策である不動産と生命保険について、それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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生命保険を利用した節税効果の計算例

【前提】財産のうち現金3300万円を相続税対策。何も対策しなければこの分の相続税は990万円(3300万×相続税30%)だった。
相続人は子3人で、3人とも給料があり、所得税+住民税は税率30%である。

●相続税率30%、3300万円の保険料を払い、
10年後に相続が発生し3300万円を受け取ったケース

・対策1の場合
被相続人は子を受け取りとする生命保険に加入した。

保険料 △3300万円 (年330万×10年支払い)
保険金 +3300万円
相続税 △540万円 ((3300万-非課税1500万)×相続税30%)
対策結果 540万円の支払いで済んだため、450万円(990万-540万)のメリット。

・対策2の場合
子3人に対して年110万円の現金贈与をした。
子は3人とも被相続人を被保険者とし受取人を子(自分)とする生命保険に加入した。

生前贈与 △1100万円 (110万×10年贈与)+1100万円 (子は現金受け取り)
保険料 △1100万円 (110万×10年支払い)
保険金 +1100万円
3年以内贈与加算に対する相続税 △99万円 (110万×3年×相続税30%)
対策結果 99万円×3人=297万円の支払いで済んだため、693万円のメリット。

☆対策1より2の方がさらに243万円メリット。

●同条件で3600万円を受け取ったケース

・対策1'の場合
保険料 △3300万円 (年330万×10年支払い)
保険金 +3600万円
相続税 △630万円 ((3600万-非課税1500万)×相続税30%)
対策結果 差引き330万円の支払いで済んだため、660万円のメリット。

・対策2'の場合
生前贈与 △1100万円 (110万×10年贈与)+1100万円 (子は現金受け取り)
保険料 △1100万円 (110万×10年支払い)
保険金 +1200万円
3年以内贈与加算に対する相続税 △99万円 (110万×3年×相続税30%)
一時所得(1200万-1100万-50万)×1/2=25万円
所得税・住民税 △7.5万円 (25万×30%)
対策結果 差引き6.5万円×3人=19.5万円の支払いで済んだため、970.5万円のメリット。

☆対策1’より2’の方がさらに310.5万円メリット。

◎保険金が、かけた保険料よりも多く支払われれば、一時所得との二重の節税効果がある。
◎上記のケースで相続発生が13年以上後だった場合は、3年内加算が無いため、
対策2・対策2'はさらに297万円(対策2は990万円・対策2'は1267.5万円)のメリット。

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