江戸情緒と涼しさを体感
大小の金魚鉢を組み合わせた「大奥」
金魚は、なじみのある和金、出目金、琉金などの品種から、めずらしい高級品種まで約5000匹が涼しげに泳いでいます。金魚を愛でる文化が始まったのは、江戸時代といわれており、金魚すくいなども行われていたそうです。
「行燈水槽」と「大奥」のスケール感がある演出
アートアクアリウムは、2011年から日本橋で開催されており、2012年は20万人以上が来場しました。今回は、新作も多数発表されており、14作品が見られますが、ここではその一部をご紹介します。
「大奥」と名付けられた大小の金魚鉢を組み合わせた作品は、幅3mほどの大きな新作です。金魚の妖艶でどこかはかなげな雰囲気が、女性たちが競いあった大奥の世界を表しています。手前に配置された、「行燈水槽」とともに色が変化して、スケール感のある演出なっています。
木枠の「新江戸金魚鉢」
水槽の形状には工夫がこらされており、上の「新江戸金魚鉢」は、江戸時代に親しまれた木枠の水槽を多面体の斬新な形状で作り、「パロットファイヤーグリッド」という熱帯魚を交配させた観賞魚が泳いでいます。立体にすることで、横からの視点だけでなく下から覗いたり、斜めから見たりと角度を変えて観賞することができます。
この他、万華鏡が埋め込まれて、金魚が近づくとレンズの中に模様が浮かび上がるユニークな作品や、棚田をイメージした水中造形アートなども見られます。
三角形の部分が万華鏡。中をのぞく金魚の動きによってパターンが変化する。
次のページでは、「映像と光による華やかな水中アート」についてご紹介します。