イスタンブール ゲジ公園抗議デモ
今は清掃作業が終わり、美しく整備され過ぎた感のある、ゲジ公園全景
そもそも、ゲジ公園問題とは?
Occupy Wallstreetにならって、Occupy Geziと呼ばれたゲジ公園占拠では、多くの若者がテントを張って座り込みをした
というのも、元々現在政権を担っているAKPはイスラム系の保守派政党。AKP以前は主に世俗派がトルコの政権を担ってきただけに、この12年の間にAKPの保守的で強権的、そして無理な都市開発を推し進める姿勢に不満を高めていった人は多かったのです。
タキシム広場では、それぞれ主張が異なる政治団体が一斉に集まり反政府集会が行われた
そしてイスタンブールのみならず、アンカラ、イズミール、アダナ、ハタイなど多くの地方都市でもゲジ公園抗議活動を支持するデモが繰り広げられ、時にはアメリカやヨーロッパでも在外トルコ人によるサポートデモが行われました。
警察の介入を除けば、割と楽しそうだったゲジ公園占拠
その後まず6月11日に機動隊が催涙ガスと放水で広場に介入、この時は公園には入りませんでしたが、6月15日にはゲジ公園に介入し、タキシム一帯は完全に警察の手に。しばらくの間公園は清掃作業のため多くの警察官が警備を行う入場禁止区域となっていましたが、7月8日に再開。現在は私服・制服警官が見守る中、抗議デモが起きない限り自由に出入りができる公園となっています。一方、タキシムエリア全体はその後も警察と機動隊、装甲車が常駐している事態のままです。
これまでのところ、観光中の外国人ツーリストが負傷したり拘束されたという報道はありませんが、デモに積極的に参加した外国人留学生やデモを撮影をしていた外国人記者などが負傷したり一時的に拘束される事態は数件起きています。
今のタキシム・イスタンブールは大丈夫?
抗議デモの期間を通し、一貫して何の問題もなかったスルタンアフメット広場(7月4日撮影)
抗議デモの呼びかけがあると、人数が増えて広場を通行止めにする機動隊
2015年現在、毎週末デモが起きるというような状況は少なくなりましたが、ゲジ公園抗議デモ記念日や、このデモで亡くなった学生の周忌、メーデー、といった節目ではやはりデモが行われています。タキシム広場は昔から左派系の人々にとってデモの聖地的な役割もあったのです。ただ、ゲジ公園デモがきっかけで政府もデモに対し相当敏感になっており、とりわけタキシムでの取り締まりを強化していることから、最近ではアジア側のカドゥキョイでデモが行われることも増えています。
デモの呼びかけは、たいてい1-2日前にソーシャルメディアを通じて行われます。このデモの呼びかけを見て、機動隊の方もタキシム広場で準備を整えて待ち構えているため、介入が激しくなりがちです。
その日、デモの呼びかけがあるか否かについては、イスタンブール総領事館の治安速報も参考にすることができます。
大規模デモの呼びかけも含めた、イスタンブールの治安速報はこちら>>>在イスタンブール総領事館
海外メディアが引き揚げてから警察の態度も再び強硬さを増してきているため、介入には必ずと言っていいほど催涙ガス、放水(化学的な催涙成分入り)、プラスチック弾が多用されています。多くのデモ隊や取材班はヘルメット・水中メガネ・ガスマスクなどの準備を整えて来ていますが、こうした装備がないとかなり危ない上に苦しい思いをすることにもなりかねません。
このためタキシムエリアの観光はできれば平日行くようにするとか、週末の土日はスルタンアフメットを中心に観光する、という方法もあります。タキシムは、デモが始まり激しさを増した場合、それ以上人が集まらないようバスや地下鉄が全て止められてししまうこともあるため、そうなる前にタキシムから遠ざかることも大切です。
デモに直面してしまったら?
催涙ガスや放水は、近くに居合わせるだけでかなり辛い
デモ参加者は準備万端