買収を繰り返し、時代の好機に乗る

同社の財務を分析すると、2011年からバランスシートが大きく膨れ上がっています。これは成長へ向け、大量の資金を調達したことによります。2011年の財務キャッシュフローを見ると、6200万ドルの増資を行ったほか、銀行からも1億4900万ドルの長期借入で資金調達しています。

同社は時代のブームにより、一気に勝負をかけてきたような様子であり、過去3年間で30を超える買収を行っています。そのために大量の資金が必要でした。取り込んだ会社の技術、特許を利用して、関連する事業を拡大させたい考えです。

同社の事業が今後拡大できるかどうかは、3Dプリンターの裾野が個人レベルにまで拡がるかによります。同社の3Dプリンターは10万円程度のものから、航空・自動車など大産業向けの1台数千万円するものまで揃っています。

同社は現在、上位の高額モデルから徐々に安価な下位モデルへと力を移し、製品を大衆化させようとしています。また、それを支援するためのソーシャルネットワークやソフトウェアも提供しています。これらによって小企業や個人事業主なども、大企業に負けないビジネスを提供できる可能性があります。

これまでのビジネスは、下請けや部品工場など産業の集積している地域に大規模工場を建て、同じものを大量生産する形が中心でしたが、一人ひとりの要望を3Dプリンターで再現する、オーダーメイド(特注)型に変わろうとしています。

3Dプリンター革命が産業界を根本的に変える可能性も

たとえば、3Dシステムズのホームページでは、ギターを作るデザイナーとコンタクトし、自分だけの色・形・柄のギターを制作することが紹介されています。顧客はインターネット上から様々なデザインアイデアを選び、3Dプリンターを使って実際に形作ることができます。

同様に、建築家であれば、個人であっても3Dプリンターを使うことで、様々な建造アイデアを目の前に実際の試作品として登場させることができます。

こうして細部にまで顧客の希望する形が決まれば、後はその電子データを実際にモノを作る業者に流せば出来上がるようになります。極端にいえば個人が自宅で大企業の行う仕事をやってしまえる、というビジネスのロングテール化が、3Dプリンターによって起こりつつあるようです。

米国では、ネットや3D技術を使ったデジタルなモノづくり事業を起業する人を資金面から支援する法律も制定され、3Dプリンターの使用を小学校の授業で教えるところも出てきているようです。

自動車メーカーは従来のように、部品などの産業が集積するデトロイト周辺に拠点を置く必要がなくなり、自動車に関係のないシリコンバレー周辺で新興の自動車メーカーが登場しています。アップルなども米国に工場を回帰させていると聞いています。

将来は部品や金型という物理的な制約から開放され、一人ひとりの好みに合わせた自動車やスマートフォンが、1台1台生産されるようになるともいわれています。あらゆる物が目の前に形にして出せ、サイズ違いや色違いも、コピー機を使うように変更できる3Dプリンターがあれば、そのようなことも可能になると想像できます。

参考:グローバルグロースレポート

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