米国株が大きく上昇する中で米国人は劇的に資産を伸ばしてきた

日本人と比較すると米国人は同じサラリーマンでもプール付きの豪邸に住んでいる人がいたりと生活には大きな違いがあるように思います。この差は何でしょうか? そのポイントは自国の株式市場の違いにあるようです。

米国では「FAAMG」と呼ばれるIT大手銘柄の株価が大きく上昇しています。「FAAMG」とはフェイスブック(FB)、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、グーグル(親会社のアルファベット、GOOGL)の5社の頭文字を取った造語です。
突出するFAAMGの時価総額と株価上昇

突出するFAAMGの時価総額と株価上昇


2017年の年初来10月までの「FAAMG」の株価上昇は上図のようになります。フェイスブックの54.6%高を筆頭に、FAAMG銘柄は30%台、40%台の伸びを見せています。また、「FAAMG」5銘柄合計の時価総額は367兆円もあります。東証一部2000銘柄の合計が650兆円ですから、この5銘柄が如何に巨大で、かつ高成長を続けているかを理解する必要あります。ナスダック市場全体の3割近くを占めるFAAMGはアメリカ人の資産形成に絶大な役割を果たしています。

世界最大の年金ファンドと言われる日本のGPIFの資産額が145兆円ですから、FAAMGのサイズだと年金資産の多くを投入することも可能で、5銘柄の実績は5年間右肩上がりで数倍になってきました。10年、20年と投資すれば年金は何十倍にも膨れ上がっていたことになります。実際、米国人はこれらに投資することで富を劇的に蓄えてきました。

米国人の金融資産の中心は株式

米国人の金融資産の中心は株式

米国人の金融資産の中心は株式

米国の金融資産総額は、5年前の5,945兆円から+2,771兆円増し、8,716兆円にもなりました。その中心的役割は株式投資です。アメリカ人の金融資産で最も多くを占めるのが株式の36%で、投資信託の11%と合わせると実に半分近くが株式保有となる構図です。5年前に比べ、株価上昇で株式の割合が一段と増えています。

さらに保険・年金が31%あるのですが、実はアメリカの場合、保険に積み立てている資産の多くが株式などで構成されるファンド(固定金利商品、債券、株式分散のバランス型投信など)で運用されています。結果として株式、投資信託、保険での増加額が極めて大きく、その中心銘柄は「FAAMG」です。株式型投信の最大保有先は当然これら5銘柄であり、そしてぐんぐんと値を上げ続けてきたことで、アメリカ人の富は劇的に増え、1京円の金融資産となる日も間近です。給与からの貯蓄である現預金はそれほど増えていないことも分かります。

日本には「FAAMG」のような銘柄は存在しないが「FAAMG」に投資することは出来る

日本には「FAAMG」のような銘柄は存在しないが「FAAMG」に投資することは出来る

日本には「FAAMG」のような銘柄は存在しないが「FAAMG」に投資することは出来る

一方、日本の金融資産は1,800兆円しかなく、5年間で300兆円増加した程度です。最大の増加要因が過半を占める現預金によるものである為で、株式の保有割合は僅か1割しかなく、またFAAMGのような銘柄も存在しません。

日本にも5年で数倍、10倍と上昇した銘柄はあります。しかし時価総額の小さなマイナー銘柄であり、そうした株を掴んで成功するのはデイトレーダーの中のごく一握りの人くらいです。巨大年金ファンドが投資できるサイズの銘柄でありません。最大のトヨタは20兆円ながら、株価は伸びておらず、あとは10兆円以下のサイズです。FAAMGの一日の株価変動率でトヨタ丸ごとを超えるくらいです。

日本の大きな損失は、既得権益優先政策によって、FAAMGのような企業を一つも育ててこれなかったことにあります。マイクソフトやアップルは1970年代に彗星のように出て来た新興企業で、1997年にアマゾンが上場、2004年にグーグル、2012年のフェイスブックの上場と続きます。こうした企業に、一部のデイトレーダーでなく、大衆の資産が(投信経由にせよ)投じられ、莫大な資産形成に繋がってきました。

既得権益を守らず、新興勢力を大きく育てることが、株式市場を通じて国民の莫大な資産形成(年金ファンドや投信を通じた保険も含み)に繋がるということを、長期で考え直す必要あります。日本の上位企業は半世紀の間ほぼ変わっていませんが、アメリカは半世紀にトップ企業の7割が消えると言われます。この新陳代謝が株式市場を通じた富の創造に繋がっているのです。

ただ、アメリカの株式市場はオープンであり、外国人もFAAMGに自由に投資できます。日本でそうした銘柄がなければ、米国株投資を行って、次の5年、10年で彼らと同等の資産増加率を達成することもできると思います。

参考:米国株通信

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