他の資格試験との比較では
社会保険労務士に興味を持たれている方には、他の士業資格などにも興味を持っていて、それぞれの資格の難易度を比較したうえで取得を検討したいという方もいらっしゃると思います。実は、私も社労士の資格に興味を持ち始めた時、他に中小企業診断士と行政書士にも興味があり、それぞれの資格の仕事内容や自分の適性、将来性、そして試験の難易度などについて色々と調べました。結果的に私は社労士を選んだのですが、皆様が社労士と合わせて検討されているとしたら、下記の資格が多いのではないでしょうか。各資格試験の直近の合格率は下記の通りです。
○ 社会保険労務士……9.3%(平成26年度)
○ 司法書士……3.5%(平成25年度)
○ 税理士……科目ごとに11.7~22.4%(平成25年度)
○ 中小企業診断士……第1次が21.7%、第2次が18.5% (平成25年度)
○ 行政書士……10.10%(平成25年度)
ただし、上記の合格率だけで各資格の難易度を比較判定することはできません。実際の難易度は、その試験の内容自体に関わる難しさ(問題の難解さ・量、試験対象の範囲、試験方法等)がモノを言うからです。
各資格を比較するための明確な基準はありませんが、資格予備校などでは合格に必要な標準的な勉強時間などから難易度を測っているようです。予備校により若干の違いはあるものの、各資格の難易度比較は概ね次の通りとされています。
司法書士 = 税理士 > 中小企業診断士 > 社労士 > 行政書士
もちろん、上記の指標は一概に言えるものではなく、受験する方が持っている知識や経験などから、人によって各試験の難易度は異なってきますが、全体傾向としては参考になるでしょう。
ちなみに、司法書士や税理士の標準勉強時間は3,000~4,000時間、中小企業診断士で1,300~1,500時間、社会保険労務士が800~1,000時間、行政書士が600~700時間とされています。このため、司法書士や税理士に合格するには通常3年以上かかると言われていますが、社会保険労務士であれば十分に1年で合格可能です。
まだどの資格を取ろうか迷っているという方は、このような指標も参考にしたうえで、ご自分に合った資格をお決めいただければよいと思います。
次回は、社会保険労務士試験の難易度を考えるうえで大きな特徴である「合格基準」について、解説いたします。