再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まって1年が経ちました。私たち国民が、少しずつ買い取り金を負担し支えてきた再生可能エネルギーは、根付いてきたのでしょうか。

再生可能エネルギーとは

石炭を燃やして発電する火力発電。石炭は中国、オーストリア、インドネシアなどから全て輸入する。

石炭を燃やして発電する火力発電。石炭は中国、オーストラリア、インドネシアなどから輸入している。

まず再生可能エネルギーとはなにかおさらいしておきましょう。日本が今までエネルギーとして利用してきたものは、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料で、それらが8割以上を占め、そのほとんどを輸入に頼っています。

しかしその化石燃料は価格が安定せず、有限のため将来的にいつかは底をつく日がきます。また化石燃料を使った際に排出されるCO2によって世界的な地球温暖化が加速しています。

従って、それらに変わる新しいエネルギーとして、利用してもエネルギーが枯渇することはなく繰り返し使え、かつ環境に優しい「再生可能エネルギー」が注目されるようになりました。再生可能エネルギーとは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電をさします。

再生可能エネルギー発電設備はコストがネック

日本は日照条件もよく、火山がたくさんあるため地熱も十分あり、また北海道や東北地方を中心に風力にも恵まれています。しかしそれらの再生可能エネルギーはコストがかかるためなかなか根付いてきませんでした。

そこで、それら再生可能エネルギーによって発電された電気を一定期間、一定の金額で購入し、支え広げようという仕組みが2012年7月スタートの「固定価格買い取り制度」です。私たちは一家庭毎月100円程度の負担金を支払うことで、支えています。

太陽光発電が日本の代表格

先日、再生可能エネルギーの代表格である太陽光発電設備と風力発電設備を見学してまいりました。太陽光発電は日本で最も身近な再生可能エネルギー発電設備です。経済産業省が公表している「再生可能エネルギー発電設備の導入状況」によると、平成24年4月から平成25年1月末までに運転を開始した再生可能エネルギーの発電出力は139.4万kW、そのうち太陽光発電は132.9万kW、約95%を占めています。

太陽光発電パネルは効率の良い角度、雪対策を考慮して20度の勾配となっている。

太陽光発電パネルは効率の良い角度、雪対策を考慮して20度の勾配となっている。


太陽光発電と言えば、住宅の屋根などに設けた住宅用を思い浮かべますが、上の写真は事業者による太陽光発電所です。この発電所は再生利用エネルギーの固定価格買い取り制度の認定を受け、交付金を受けて設置され、この春から運転を始めたばかりです。電気関係の事業者でなくても発電所を持つことは可能です。

太陽光発電の特徴は、太陽が出ているところであればどこにでも設置が可能であるところです。広い敷地がなくても住宅の屋根や商業施設の屋根、壁などを利用して設置が可能です。ユニークな取り組みとしては、駅舎の屋根を利用しているところもあります。

地域のシンボルとなる風力発電


海水浴客と風力発電。砂浜に林立する風力発電の景色は目を奪う。

海水浴客と風力発電。砂浜に林立する風力発電の景色は目を奪う。


上の写真は日本海に面した浜に建つ風力発電所です。見学したものは高さ119メートル、羽の直径は82メートル、およそ40階建ての建物と同じ高さのものでした。日本海から吹く風を受け羽を回し、発電しています。

風力発電の特徴は、比較的発電コストが低く済み、風力エネルギーを高効率で電気エネルギーに変換できるところです。太陽光発電と異なり、夜でも風さえあれば発電が可能です。そしてなんといってもシンボリックで美しいこと。風車がオランダの象徴であるように、風力発電も日本の地域のシンボルになり、町おこしなどに活用される例もあるそうです。

東日本大震災後、原子力発電の問題点が浮き彫りとなったこともあり、これらの再生可能エネルギー発電が注目されています。私たちの身近なところでも屋上に太陽光発電を設け、モニターで発電量がみられるようにしている住宅やマンションが増えました。固定買い取り制度などのバックアップを受け、これからも増えていくことを期待したいと思います。

【関連サイト】
なっとく!再生可能エネルギー(経済産業省 資源エネルギー庁)
再生可能エネルギー発電設備の導入状況(平成25年4月16日)(同上)

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