【上の子が小学校低学年】 プレ思春期に向け、家族の絆を深めるきっかけに
小学校低学年は、命の大切さや、自分と他人のどちらの存在もかけがえのないものとしてとらえる大切さを、学校授業の中で深く学習していく年頃です。赤ちゃんという、自分より絶対的に弱い存在を家族で見守りながら育てていく経験は、プレ思春期の高学年につながる時間の中でも、貴重なものになります。この時期、小学校に上がってさらに交友関係が増え、学校での学習や地域の人との交流の場を経験し始めて世界が広がると、自覚として感じる赤ちゃんへのやきもちは、あまり持たなくなることも多くなります。親としても、「もう小学生だから」と、家族が増えたという家庭環境の変化を、ある程度理解して振舞ってくれることを期待します。
しかし、まだまだ甘えたい気持ちをたくさん抱えている年頃です。お伝えしたいのは「その子のちょっとした行動や言葉の裏にある気持ちを、少し想像する」こと。学校から帰宅して機嫌が悪くても良くても、その背景には、毎日の家庭生活、今日の学校生活があります。「こんな勉強をしたよ」「○○をして遊んだよ」などのたわいない話は、「ふーん」と言ってしまえばそこで終わってしまうこともあります。しかし、それを話してきた子どもの気持ちを少し想像すると、自然に「難しかった?」「今、そういう項目を勉強しているんだ!」「誰と遊んだの?」「楽しかった?」と質問が出てきます。忙しいと言葉のキャッチボールにも大きなエネルギーを使うこともありますが、「気持ちを少し想像する」ことを心に留めておくだけでも、会話に変化が表れます。
【上の子が小学校高学年以上】 性差への理解を深め、家庭での役割を考える経験に
10歳以上離れると小さなパパ・ママ。
高学年ぐらいになると、妊娠中や産後のお母さんの身体のしんどさ、泣いてばかりの赤ちゃんのお世話がしんどいということも、理解できるようになってきます。これから心身の大きな変化として現れる第二次性徴を前にしたプレ思春期の小学校高学年。4~5年生の理科の授業では、生命の誕生の仕組みや母親の胎内での胎児の育ち方を学びます。赤ちゃんのいる生活を経験することで、教科書にあることを、目の前にいる母親の身体の変化や赤ちゃんの成長という形で実際に見て、命の不思議を感じることができます。ともすると照れ隠しから「キモい」などの言葉で表現しがち男女の身体の違いについても、命を育む上で重要なことと捉え、家族という共同体を運営する上での個々の役割を考えることにもつながります。
そして、たとえば「お父さんは仕事、お母さんは家で赤ちゃんのお世話をしたりご飯を作ったりしている」という現時点での表面的な事象だけではなく、その時々に応じた家族の分担のあり方を、親同士だけの問題にはせず、少しずつ子どもを交えて話す機会を持ってみることをおすすめします。
役割が変化する時期を乗り越えて「新しい家族の形」に
赤ちゃんの誕生。受け止める思いはそれぞれ。
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