乳児育児

【年代別】赤ちゃんを迎えた上の子の揺れる気持ち

赤ちゃんを新しい家族に迎えて心が多少なりとも揺れるのは、幼児期の小さな子だけではありません。幼児から小学校高学年まで上の子の年代別に、赤ちゃんを迎えたことによる環境変化への揺れる思いや現れる行動、親子のコミュニケーションの取り方などを考えてみます。

執筆者:千葉 美奈子

赤ちゃんを新しい家族に迎えて心が多少なりとも揺れるのは、幼児期の小さな子だけではありません。物事の理解が進んでいく年代だからこそ、生活や環境の変化を敏感に感じ取ってバランスを取ろうとしていることもあり、それぞれの年代やタイプに応じて、フォローやコミュニケーションの工夫が大切になってきます。幼児から小学校高学年まで上の子の年代別に、赤ちゃんを迎えたことによる環境変化への揺れる思いや現れる行動、親子のコミュニケーションの取り方などを考えてみます。
 

【上の子が1~3歳】 赤ちゃん返りを乗り越えて兄弟関係が安定

2歳差の姉妹

2歳差姉妹。妹を泣かせてしまうこともあるけれど、一緒に遊ぶようになるので楽になる部分も。

典型的な「赤ちゃん返り」は、
  • おもらしが増える
  • トイレトレーニングが逆戻り
  • 母乳やミルクを飲みたがる
  • 離乳食を食べたがる
  • かんしゃくが増える・すぐに泣く
  • 赤ちゃんをいじめる・泣かせる
などの形で現れてきます。理由はただ1つ、「かまってほしい。こっちを向いてほしい」から。分かりやすい自己主張の方法であり、親も対応に苦慮しながらも、兄弟関係が安定するためのステップとしてとらえることができるのではないでしょうか。

この赤ちゃん返りが、時間差で出てくることもあります。例えば、赤ちゃんが1歳前後になって行動が活発になり、主張がはっきり出てくる頃に、今まで、「私はお姉ちゃんだから」「僕はお兄ちゃんだから」という意識的・無意識的な気持ちから割と冷静に振舞っていた上の子が、自分の存在を脅かされる危機感を感じ、赤ちゃん返りが顕著になるケースもあります。

まだ小さい上の子には、スキンシップがなによりの安定剤。私は、2人目以降のお子さんと一緒にベビーマッサージ講座に参加してくださったお母さん、お父さんたちにも「上のお子さんにこそ、ぜひやってあげてください」とお話しています。おっぱいやミルクを飲みたがったり、離乳食を食べたがったりと、赤ちゃんのまねをしたがるお子さんには、どんどんやらせてあげましょう。少したてば飽きて、赤ちゃんと同じことをしたがらなくなることがほとんどです。

一方で、赤ちゃん返りらしい行動がなくて逆に心配、というケースもあります。もっとかまってほしいという気持ちを抱えながら、それが表に出てきにくいお子さんもいます。でも、そんな風にご家族が気にかけてあげる気持ちは、必ずお子さんに伝わっています。これからもっと先に、その子なりの甘えの時期が出てくることがあります。そんな時にも、「今さら!?」と思う気持ちを抑えて、受け止めてあげてください。
 

【上の子が4~5歳】 自尊感情を高めるチャンス

5歳差兄弟

4~5歳差、だいぶ物心がついてくるころ。

 
4~5歳にもなると、保育園や幼稚園に通っているお子さんがほとんどです。家族以外との世界で過ごす時間も増え、気持ちの発散もできるようになっていきます。逆にそこで親の方が安心し、子どもが抱えている気持ちに気づきにくくなるということもあります。園での出来事をあまり語らないタイプの子もいますが、今日はどんなことがあったか、お友だちとどんな交流があったか、毎日尋ね続けてあげましょう。

また、この年頃になると、お手伝いへの意欲もグンと増してきます。ぜひ、上の子を巻き込んで、一緒に赤ちゃんのお世話をしてください。タンスから着替えを持ってきてもらったり、オムツを丸めて捨ててもらったりなど、簡単なことからお願いして、できた時には思いっきりほめてあげると、自分でできる事が格段に増えつつある年頃のお子さんの、大きな自信(自分自身を価値ある存在と感じられる「自尊感情」)につながります。

>>小学生にとって赤ちゃんを迎えることは、「生」と「性」をしっかり見つめるきっかけに
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