取引する証券会社を集中させない
例えば、日頃から頻繁に株式取引をしていたり、そろそろ投資信託を売却して現金化しようと考えたりした時、取引している証券会社が突然破綻すると自由に取引することができなくなります。万一のとき、取引が不便な状態になることは十分考えておく必要があるのです。日本では、過去にネット証券会社の倒産はありませんが、ネット取引システムが使えなくなることや、コールセンターに電話がつながらないといった可能性も常に考えておく必要があります。そのような万一に備えるの意味でも、証券会社を複数に分散しておくことは、リスクヘッジ(危機回避)の一つになるといえるでしょう。
ちなみに、勘違いされていることが多いのが、銀行で販売されている投資信託についてです。『銀行が販売窓口だから元本が保証されている』と思い込んでいたり、『銀行で買ったから預金保険制度の対象商品だと思っていた!』などという思い込みが実際に多く、特に高齢者などからよく聞く話です。例え銀行が窓口だからといっても、投資信託の安全度が増すわけでないことは理解しておきましょう。
さて、前述のとおり、預金保険制度の証券版ともいうべき「日本投資者保護基金」によって、最悪の場合でも1000万円までは保護される仕組みと説明しました。「日本投資者保護基金」には、日本で投資商品を販売している業者は加盟することが義務付けられています。本来、投資家の証券や金銭は分別管理により保護されてはいるのですが、実は分別管理を行うタイムラグ(時間差)により、破綻時に分別管理が完全になされていなかったなどという何らかの理由が生じることも考えられます。そのような時に、基金が1000万円までを補償してくれるのです。
投資家はさまざまなリスクとその回避を考えていく必要があり、またリスクの一つひとつを理解しておくことが、リスク回避につながるといっても過言でもありません。今回は証券会社の破綻したときのリスクと補償について述べましたが、考えられるリスクについては都度調べておくと安心度が増すことでしょう。
【関連記事】
株式投資ビギナーには株価連動型ETFがおすすめ
ネット証券と総合証券、投資初心者にはどちらが向く?
ネット証券取引をする初心者向け4つの注意