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【統計で斬る】持家率でみる神戸市9区の違い

住宅誌等で神戸市は「阪神間」といわれる灘区・東灘区と三宮以西に大きく分けられます。しかし神戸9区は、大阪24区同様に各々個性的。前回の大阪市に続いて今回は、神戸市を区ごとに持家と借家の比率を調べ比較してみました。区ごとの数字は自分の持っているイメージ通りか否か、図や地図を見ながらお楽しみください。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

前回に続いて、今回は神戸市を「住宅・土地統計調査」の持家率/借家率に注目して見てみます。まずは、神戸市9区の持家率/借家率です。ここでの持家率とは「持家(=そこに居住している世帯が全部又は一部を所有している住宅)÷住宅総数」、借家率とは「借家(公営・都市再生機構・公社・民間の借家ならびに給与住宅)÷住宅総数」です。住宅総数には住宅以外で人が居住する建物(工場、事務所等)が含まれるので、持家率+借家率は100%とはなりません。

借家神戸map

神戸市内9区の持家率と借家率(クリックで拡大)


 

中央区から離れる程に持家率が上がる!?

神戸市全体の持家率は56%。大阪市の持家率(41%)と比べるとかなり高い割合です。しかし大阪市の持家率が阿倍野区の54%から浪速区の19%まで区ごとの差が大きかったのと同様、神戸市内でも区による差は大きいです。

持家率が一番低いのが38%の中央区。40%未満となるのは中央区のみです。ダントツで持家率の低い中央区の数字が、大阪市平均のそれとあまり変わらないことを考えると、いかに神戸市の持家率が高いかがわかります。

次に持家率が低いのは中央区の両サイド、西側の兵庫区(43%)、東側の灘区(47%)。中央区、兵庫区、灘区の3区は、持家率が借家率を下回ります。以下、長田区(51%)、東灘区(56%)、須磨区(60%)、垂水区(61%)と続き、一番持家率が高いのは北区と西区でいずれも68%、3世帯のうち、およそ2世帯が持家世帯となります。

この数字を地図上で見ると、ニュータウン/山間部が多くを占める西区・北区が突出した数字となっており、旧市街地が多くを占める沿岸部は、中央区の38%が一番低い数値でそこから東西に離れた区ほど持家率が上がっているのがわかります。

次に掲げるのは、9区の持家率を一戸建て/長屋建/共同住宅の種別ごとに記載した表です。

神戸市,持ち家,統計

区別/建て方別 持家比率(クリックで拡大)

 

北区/西区は過半数が一戸建て!

区名の横に並ぶ数字は建て方別の割合(全体は100%となります)、その下のカラーのセルは建て方別の持ち家/借家比率となっています。例えば東灘区は一戸建ての比率が23%、そのうち持ち家が92%を占めており借家は4%しかない、となります。

この表で気になるのが、区によって一戸建ての比率が大きく違うこと。持家率以上に差があります。一戸建ての比率が高いのが北区(56%)、西区(52%)。世帯の半数以上が一戸建て。一戸建てでの借家率はともに3%。一戸建てはほぼ持ち家といえます。北区/西区の持家率の高さの理由はここにあります。

一方、一戸建ての比率が一番低いのは持家率が最下位である中央区で10%、一戸建ては10世帯に1世帯しかありません。同じ神戸市内でも中央区と北区/西区では住宅事情が全く異なります。また、灘区~長田区は一戸建ての借家率が約10%。この数字は他の区の約2倍。他のエリアと比べると古くから開けていた繁華街エリアである灘区~長田区には借家/マンションが多く、その周囲エリアには持ち家/一戸建てが多い。随分おおざっぱではありますが、そのように見ることができます。

それでは次のページでは、各区の住宅の広さについてみてまいります。
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