学校薬剤師の仕事
学校薬剤師の職務について定めている学校保健法施行規則によれば、学校薬剤師は学校の保険安全計画を作成し、環境衛生検査を行うこととされています。では、これら検査内容について具体的に見てみましょう。
1)教室の空気
温度、湿度が適切であるか、二酸化炭素などで空気が汚れていないか測定します。また、換気の状況、ホルムアルデヒドなどについても検査します。
2)照度・照明環境
教室に十分な明るさがあり、それら明るさが教室内で均等であるかなど、適切な照明環境になっているか専用の照度計を使い検査します。
教室において学校薬剤師は空気や照度など、多くの検査を行い問題がある場合は指導する
3)騒音
勉強の妨げになるような騒音があるかないか検査します。
4)給食
給食施設の衛生環境状況の検査を行います。
5)飲料水
学校の飲料水が適切であるかどうか、また排水についても同様に検査します。
6)水泳プール
プール水の水質と付属設備の管理状況や衛生状態について検査します。
7)医薬品の管理
学校の理科室の薬品管理、及び保健室の医薬品の管理を行います。
保健室での医薬品の管理も学校薬剤師の大切な仕事です
以上のような学校衛生環境に関する多くの項目について検査、改善のためのアドバイスや指導を行い、薬剤師として児童生徒の健康増進に寄与します。
近年ではPM2.5や放射線など新たな環境問題により多くの検査需要が生まれています。また、違法ドラッグをはじめとする薬物乱用防止教育、セルフメディケーションの広がりから生まれた医薬品の適正使用などの啓発活動、ドーピング防止活動など学校薬剤師が地域薬剤師会とともに活動することが多くあります。
ほかにも子供の食物アナフィラキシーショック対策、シックハウス等の健康への関心が高まる中で、これら社会の要望に応えるため、学校薬剤師がその職能を求められることが多くなっております。