水中花火の種類は大きく分けて三種類
水中花火は上空に打上げず水面で半円で開花する花火の事で上空の花火と比べると開花位置の距離が近いので、かなり迫力があります。現在の日本の水中花火は主に「設置式」、「打ち込み式」、「投げ込み式」と3種類あります。1. 設置式
設置式は予め、水面上に花火玉を設置して開花させます。小さい玉から大きな玉まで開花可能な設置式は安定して開かせる事が出来ますが、予めセット台を用意する必要があるので手間がかかるデメリットがあると思います。水中花火「Kiss of Fire」で有名な諏訪湖の花火では、この設置式を取り入れており8/15固定開催の湖上祭、9月の第1土曜日の諏訪新作花火、さらに近年では翌日日曜日のサマーナイトファイナル花火でも見る事ができ年に3回諏訪湖で水中花火が見られます。
他、三重県、熊野での水中三尺玉や福井県、三国での水中二尺玉も特殊な設置式水中花火と呼べると思います。こちらは大玉にタイヤチューブ等を巻きつけて水面に浮かせて点火します。導火線を長くできるので安全性は高いですが、波が被ると点火しない事もあるのがデメリットとなっています。
2. 打ち込み式
打ち込み式は砂浜や防波堤に角度30度以下で設置した筒から花火玉を水面に打ち込み一度沈み浮かんできてから開花! 柏崎の花火ではこの方式で水中花火を行っています。こちらも安全性は高いですが一度沈んでから浮かぶまでの仕掛が必要になります。これは各煙火店さんの企業秘密となっており様々な仕掛がされているようです。この打ち込み式の角度をもう少し上げると水中ではなく水面上の低空で開かせる事ができ、これも迫力満点! 新潟県の柏崎や福井県の三国で見る事が出来ます。
3. 投げ込み式
投げ込み式は国内では一番多く見られる、方法でモーターボートから花火師の方が花火玉に点火して水面に投げ込むアナログ的な投げ込み方式の水中花火です。当然、開花までに時間は多少ありますが、逃げなければ巻き添いになるので高速でモーターボートを走らせながら次々と花火を投げていく。水中花火で有名な三国の花火大会では10号玉までこの手法で点火されており体感型の迫力のある水中花火が楽しめるのでお勧めです。
千葉県、おみがわ花火大会や神奈川県、鎌倉花火大会も水中花火でも10号までの迫力ある投げ込み方式の水中花火が見られます。
最後にちょっと変わった花火をご紹介!
その名も「ドラム缶花火」 。これは毎年5月に静岡県の下田市で行われている下田黒船祭り花火大会で見る事が出来ます。これはその名の通り、ドラム缶を海に浮かべて中に沢山入れた花火を纏めて点火する花火で全国でも下田でしか行われておらず大変珍しい花火となっています。
皆様は今年どんな花火を見に行きますか? もし水中花火を見る機会がございましたらどんな方法で点火しているか気にしてみて下さい。
もし暗闇でボートが走っているようでしたら投げ込み式! 筒から発射された花火が水面に落ちているようでしたら打ち込み式! どちらでもないようでしたら設置式かも?
写真・テキスト 井上真也
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