日本初？ 有名ショップ11店が集合したLiving Edition(2ページ目)

個性派オーナーを説得できたワケ

インテリアショップがずらりと並んだ売り場があれば、これほど嬉しい事はありません。1日かけても3～4店しか回れなかったショップを、短時間で一巡できるのです。しかし個性派揃いのインテリアショップ・オーナー達は、出店の誘いにのってくれるのでしょうか？
「インテリアショップのオーナーは、自分の考えをはっきりもった方ばかりです。だからこそ既存の家具店では行えなかったオリジナル家具の開発や空間提案などを、自らの価値観にもとづいて続けてこられたのだと思います。自分も家具ショップオーナーの一人として、理由もなく他と歩調を合わせることには抵抗がありますし、ある意味、近所のライバル店同士でもあります。しかし今、インテリア業界のトップランナーともいえる先進的なインテリアショプは、全国の家具店にとって大きな目標となっています。インテリア業界全体の文化レベルを上げるためには、そろそろ百貨店という舞台に立って頂く時期ではないかとお話しました。またお互いのショップの商品スタイルや販売ノウハウなどを感じられるのも、長期的なメリットになるのではないでしょうか。
西武百貨店は80～90年代にかけ『HABITAT（ハビタ）』（ザ・コンランショップのルーツ）や無印良品などを育てた生活文化のリーダー的存在でした。この新しい試みの舞台として、最適な百貨店といえるでしょう」と野田さん。
こうした野田さんの思いに賛同した11ショップが集結し、6月7日にオープンした「Living Edition」。実際の来店者にとってのメリットはどこにあるのでしょう？
「まずは11店舗を1個所で見られることです。1店ごとに回ると2、3日はかかると思います。気に入った商品があれば、その場ですぐに購入できますし、もっとたくさん、詳しく見たいという方は、ここから30分～1時間ほどで大半のショップに直接行くこともできます。インテリアショップの個性的な家具を揃えたい方々は、ショップガイドを見る感覚で全体を俯瞰して頂くといいと思います」。
インテリアコーディネーターなどプロの方にとっても、お客様と一緒に好みのテイストを見つけだすことの出来る、とても便利な場所ですね。
「将来的には、各インテリアショップの製品を組み合わせたクロスオーバーなコーディネートを提案したいと考えています。これは各ショップを回っても、なかなか難しかったことです。ヨーロッパなど成熟したインテリア市場では、単一ブランドの家具だけでインテリアを揃えることはまずありません。クラシックやモダン、オリエンタルなど、様々に個性的な家具をあわせています。今はスタッフの勉強会も行い、空間の提案力を高めている最中です。また出店者は半年に一度ほど徐々に入れ替える予定で、常に新鮮な売場作りを心がけたいと思います」。
Living editionの試みはまだ始まったばかりですが、渋谷駅前交差点から徒歩約1～2分という好立地。渋谷駅に行った際は、デパ地下に寄る感覚でちょくちょく覗いてみたいと感じました。

取材協力：Living Edition、Webマガジン Colla:J