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渋谷西武B館地下1階にオープンした「Living Edition」。都心を中心としたインテリアショップ11店舗が集まりました。以前はスポーツ用品売場だったところです。

6月7日、渋谷西武B館地下1階にオープンした「Living Edition」。日本初(?)インテリアショプ11店舗が集合したユニークな試みとして、インテリア業界からも注目を集めています。企画をプロデュースした野田 豪さん(AREA代表)に、Living Edition誕生までの道のりをうかがいました(出店社等の情報は、2013年6月現在のものです)。

発想の原点はデパート名物「駅弁フェア」

「Living Edition」の原点は『駅弁フェア』にありました」と野田さん。「90年代の後半から、都心デパートの家具売り場は急速に縮小されていきました。その要因のひとつは『坪効率』にあります。バブル崩壊以降の売上減少にともない、百貨店は一坪あたりの売上効率を重視するようになり、売り場面積をとる家具は、ファッションやアクセサリーにおされていきました。しかし私は以前から、衣食住のすべてを広く網羅するのが百貨店の役割ではないかと提案して来ました。最近は百貨店も他店との差別化のためにはインテリアを充実させることが大切と気づき始めています。しかし、そこに立ちはだかるのが坪効率なのです」。
AREA

野田 豪さんの主宰する「AREA」のブース。オリジナルの家具、建具、システム収納などを駆使した、オートクチュールな空間提案を行なっています。

90年代前半まで家具は百貨店にとって大切な商品で、百貨店の家具売り場がインテリアシーンをリードしてきた歴史がありました。コルビジュエやペリアンなど海外デザイナーの家具をいち早く日本に紹介した高島屋をはじめ、ウェグナーなど北欧家具に力を入れた新宿の小田急ハルク(全館が家具売り場でした)、コーディネート展示によるライフスタイル提案を行ったマルイ インザルームなど、先端をいく家具を探すならまず百貨店でというのが定番でした。
カサマンス

今回唯一のテキスタイルショップ「カサマンス」。フランス産のコントラスト感のあるカーテンやクッション、椅子張り地を提案しています。

「坪効率を克服するためのビジネスモデルとして参考にしたのは、いま各百貨店が競い合っている『駅弁フェア』や『美味いもの市』です。出展社は地方の中小企業で1店あたりの面積も限られていますが、総合すると他を上回る坪効率をあげています。これを家具でも行えないかと考えました。しかし家具の場合は小さな面積では満足な展示を行えません。例えば100人を満足させるベッド売り場をつくるためには、それぞれの好みに合わせた数十台のベッドを置く必要があります」と野田さん。
アンテナ

左上から時計回りに「タイフーン」のブース。スタイリスト窪川勝哉さんによるクロスオーバーなコーディネート提案コーナー「アンテナ」。企画をプロデュースした野田 豪さん。「リビングハウス」のブース。

確かに百貨店の家具売り場は、中途半端な感じがするのも確かです。せっかく買うならば出来るだけたくさんの製品を見たいのが正直な消費者心理でしょう。
「限られた面積で各店の魅力を表現できる手段を考えた末、それは特注対応やコンサルティングだと思いました。生活のイメージを空間として提案する能力があれば、小さな面積のショップでもユーザーに満足度して頂けます。それを可能にするのが、都内を中心に展開するインテリアショップなのです。インテリア雑誌の付録などで、東京のインテリアショップガイドは安定した人気を保っています。その実物版を百貨店で実現すればいいことに気づいたのです」といいます。
ブランチ

目黒を中心に無垢の木の家具を提案する「ブランチ」のブース。モダン、オリエンタル、ナチュラルなど、様々なスタイルのショップがバランスよくエディションされていました。

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