ドライブトレインの変化
電気自動車とガソリン車では必要とされる部品の種類や数が大きく異なります。例えば、電気自動車に必要とされる部品はバッテリー、モーター、インバーター、コンバーター、VCUであり、ガソリン車で必要とされるエンジン、トランスミッション、排気系、潤滑系、燃料系、吸気系、点火装置、始動系などが不要となります。さらにエンジンの中にはシリンダヘッド、ピストンなど、様々な部品が含まれ、実に数多くの部品が必要とされなくなります。具体的にどれだけの部品点数が減ってしまうのでしょうか? トヨタ自動車によれば現在のエンジン車全体の部品点数は10万点ほどあり、その内エンジンが占める部品は、数え方によりますが1万~3万点にもなります。一方、電気自動車に搭載するモーターは、わずか30~40点ほどの部品点数です。それにインバーターの部品点数を加えても、80~100点ほどにしかなりません。従来のガソリン車から電気自動車への移行により、如何に必要とされる部品の点数が減るのかという事がお分かり頂けるでしょう。
また、そのような大きな産業構造の改革を実現するために、日本の自動車業界を牽引してきた部品サプライヤーの今後を考えると、多くの課題が存在するのも事実です。既存の技術から脱却し、新しい技術を取り入れることにより、電気自動車の産業構造が出来上がっていくと考えています。