シンガポール/シンガポールのお土産・ショッピング

シンガポールで味わう拘りの和食、一流の家庭料理とは

シンガポールで日本の味をと、長野の味噌醤油屋「酢重正之商店」が提案する「シンガポール レストラン酢重正之」。シンプルながら、地元長野の食材を中心に、素材にこだわり、毎日でも食べたくなるような、良質な家庭料理を生み出しています。シンガポールでしか味わえない、和の食材をアレンジした料理から、どうしても食べたくなる、日本でおなじみの料理まで、本格的な和の味を楽しめます。

仲山 今日子

執筆者:仲山 今日子

シンガポールガイド

発酵が生み出した、本物の和食の世界
シンガポール レストラン酢重正之

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洗練された暖かみのある店内

今、熟成肉や麹といったような、発酵の力を借りた料理が注目されていますが、元祖発酵、熟成の食品と言えば、本家本元は味噌や醤油。

その良さを知ってもらいたいと、直営のレストランを出しているのが、味噌や醤油の醸造を行っている、酢重正之商店。その前身は、長野で180年以上前に創業された味噌蔵なんだとか。軽井沢が本店なのですが、最近では横浜・みなとみらいにもお店を出したそう。

以前から気になっていたのですが、何と海外で唯一、シンガポールにお店があると知って、行って来ました!

メリタスマンダリンオーチャードホテルに隣接するショッピングモール、マンダリンギャラリーの4階にある、シンガポール レストラン酢重正之。同じフロアには、アート系の雑貨等を売る店が並び、近くのカフェに併設されたスペースでは油絵のレクチャー等も行われていて、お洒落な雰囲気です。

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実際に使われていたアンティークの木箱

そんな中に、ありました! Suju と書かれたのれんの出たお店発見。中に入ると、黒を基調にした落ち着いた空間、和のくつろぎの中にも、スタイリッシュな空気が感じられます。

店内には明治時代に実際に使われていた、アンティークの木箱などが並び、日本の「本物」の味噌や醤油の味を届けたい、という思いが、こんな所にも現れている気がしました。

 

シンガポール限定!意外な組み合わせが美味しい 旨味たっぷりの一皿

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旨味の競演! シンガポール限定の前菜

まず最初に頂いたのは、サーモンと京水菜の和風カルパッチョ(12シンガポールドル)。食べてみると、脂の乗ったとろけるようなサーモンに巻かれた水菜のシャキシャキ感が心地よく、ドレッシングのしょうゆの香ばしい香りに拍車をかけるのが、添えられた薄切りの「いぶり漬け」(薫製の大根漬け)。

 
まさか、シンガポールでいぶり漬けを食べられるなんて! びっくりです。合わせて食べると、カリカリした食感とスモークされた旨味が広がります。更に、隠し味には何と塩昆布。上にトッピングされたパルメザンチーズのコクと旨味が加わって、前菜の前のアミューズのようなサイズながら、旨味の競演といった感じの、新しさあふれる一皿。

 

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お店で作り立ての豆腐

続いては、一転して伝統的な日本の味を楽しめる、自家製すくい豆腐の醤油豆がけ(15シンガポールドル)。京都から取り寄せた豆乳を使い、お店で作り立てを提供しているというだけあって、豆本来のコクと味わいが楽しめます。

そして、添えられた醤油豆。醤油に漬けた水煮大豆のようなイメージを持っていたら、まるで味噌になる途中の大豆をそのまま頂いているよう。金山寺味噌のような、はっきりとした発酵の香りと、味噌の味わいが、柔らかい食感と相まって、出来立てのふんわりとした豆腐と良く合います。暑いシンガポール、薬味のミョウガも、いいアクセントになっています。

 

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プリプリのホタテと醤油豆とバターのコンビネーションが見事

そして、そんな醤油豆が、洋風のアレンジで登場したのがこちら。北海道産ホタテバター醤油焼き(20シンガポールドル)。ホタテとベストマッチのバターに醤油豆のピュレを加え、旨味がたっぷりのバター醤油味に。甘みのあるプリっと柔らかなホタテに絡まると、醤油豆のコクと香りがより一層引き立ちます。

 

発酵を極めた、長期熟成味噌を味わう

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長期熟成味噌でトロトロに煮込まれた牛タン

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脂の乗った銀ダラに味噌が良く合います

こちらのお店のこだわりは、オリジナルの味噌を生かした料理。まずは、銀ダラの味噌漬け焼き(32シンガポールドル)を頂きます。脂の乗った銀ダラを酢重のオリジナルの味噌に2日間ほどじっくりと漬け込んだ銀ダラは、焦げた味噌の風味が銀ダラに良くあって、お酒にもご飯にもぴったりのお味。

 
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箸で簡単に切れる柔らかさ

そして、3年間と言う長期の熟成をした味噌と赤ワインで煮込んだ牛タン、牛タンの長期熟成味噌煮込み(45シンガポールドル)。
箸で切れる程しっかりと煮込まれた牛タンは、とても滑らかでとろけるような舌触り。
ゴボウと一緒に煮込んであるので、味噌の香りがよりいっそう奥深くなっていてびっくり。
ゴボウは日本の香草のひとつだと感じさせてくれます。ほのかに漂う赤ワインの香りも、甘めの味噌になじんで、深みのある味わいに仕上がっています。

 

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オリジナルの麦でできた黒酢が香ばしい

また、酢重の名前の由来でもある、麦を使った黒酢を使ったメニューも。鳥もも肉の黒酢炒め(26シンガポールドル)。運ばれて来たとたん、ふんわりとした黒酢の良い香りが広がります。こちらも、酢重オリジナルの、麦を使ったお酢を使っているそうで、甘辛い味わいの中に、深いコクが感じられ、ご飯が進みそうな一品。

 

本当に甘~い炊きたてピカピカご飯

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全て銅釜で炊かれるご飯

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銅釜で炊きたてのご飯

ご飯と言えば、来る前からずっと楽しみにしていたのが、こちらの、銅釜で炊くご飯。長野の作家の方が、ひとつひとつ銅板から打ち出して作ったという、手作りの銅釜。こちらのご飯は全て、この銅釜で炊かれているそうです。味噌汁、漬け物とセットで、9シンガポールドル。

出て来たのは、一粒一粒がピカピカに輝く炊きたてのご飯。噛み締めると自然な甘みがたっぷりあふれて来て、自然な味付けの自家製味噌のお味噌汁と良く合います。

様々な形で出て来る、熟成の度合いの異なる数種類の味噌や醤油は、厳重に温度管理がされた、リーファー(低温)コンテナで運ぶと言うこだわりぶり。何かを加える「足し算」の料理ではなく、むしろ引き算。シンプルだからこそ、素材にこだわった、毎日食べたくなるような、良質な家庭料理を頂けるお店だと感じました。

通し営業なので、うっかりランチタイムを逃してしまった時や、おしゃべりに花が咲く、気の置けない友人との、のんびりランチにも嬉しいお店。ベビーチェアもあり、小さなお子さん連れも安心。17時まではランチメニュー、それ以降はディナーメニューが頂けます。

<DATA>
■シンガポール レストラン酢重正之
営業時間:ランチ 11:30~17:00、ディナー 17:00~22:30(旧正月のみ休)
住所:Mandarin Gallery 333A Orchard Rd #04-05, SINGAPORE 238897
電話 : +65 6737-7764
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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