領土問題

周辺諸国との領土問題。それぞれ状況が異なるのをご存知ですか?

緊張が続く領土問題。ここでは日本が抱える領土問題が、そもそもどのようなものなのかを整理してみましょう。

まず、領土問題とは、ある土地や島に対して複数の国家が「我々の領土である」と主張することから始まります。国家主権にかかわるものや民族紛争が背景にあるもの、漁業や地下資源など経済的利益を巡るものなど、背後にある理由は多種多様です。

日本の領土問題といえば、まず、ロシアとの間で係争が続く「北方領土」があげられます。これまで日本とロシアは1993年の東京宣言での合意の基づき、国後、択捉、歯舞、色島の4島について帰属問題をどうするか、交渉を続けています。

北方領土の場合、ロシアは領土問題が存在することを認め、交渉に応じる姿勢を見せていますが、島根県の竹島(韓国名では「独島」)は事情が異なります。日本は古くから寄港地として利用し、1905年に領土として編入します。ところが、韓国は1952年から周辺海域の外国船の立ち入りを禁止するなど、実効支配を強める一方、「独島は韓国固有の領土であり、領土問題は存在しない」と主張。国際法上では「抗議しなければ、実効支配している国のものとして扱われる」というルールがあるため、日本は竹島返還を訴え続け、韓国が否定するというやりとりが繰り返されています。

一方、日本と台湾、中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名:魚釣島)はまた、事情が異なります。1895年、日本はこの島がどこにも属さない島であることを確認した上で自国の領土とし、実効支配してきました。しかし、1970年代に入ると、台湾と中国が領有権を主張。その背景にはこの海域に眠る石油や天然ガスといった海底資源があると見られています。前述の竹島とは逆に、「尖閣諸島に日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」というのが日本政府のスタンスです。

尖閣諸島問題の背景には「台湾は中国の一部である」と主張する中国と、それを否定する台湾という両国の思惑もあり、台湾は中国との共闘はせず、独自路線で尖閣諸島の所有を主張する姿勢を固持しています。

また、海にも領土と同じように、その国の主権が及ぶ範囲があり、これを「領海」と呼びます。かつては国際慣習で海岸から3カイリ(約5.5キロメートル)とされていましたが、現在は国連海洋法条約で12カイリ(約22キロメートル)までとされています。1990年代から中国船が日本の領海に侵入することが頻発しており、トラブルの元になっています。

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