三船敏郎の迫力ある演技で描かれる 『日本海大海戦』
■監督丸山誠治、円谷英二
■主演
三船敏郎、加山雄三
■DVD販売元
東宝ビデオ
日露戦争を題材とした映画です。
連合艦隊司令官長官・東郷平八郎(三船敏郎)を主人公に、日露開戦にいたる経緯から、開戦、戦争、敵国ソ連のバルチック艦隊撃破までを描きます。
世界中で今も語り草になっている東郷平八郎の奇策「Togo Turn トウゴウターン」と呼ばれた、バルチック艦隊先頭を抑える作戦を見ることができます。
大胆不敵な戦法でいまも語り継がれている東郷平八郎ですが、迫力のある三船敏郎の演技でまるでそのひとそのものを見ているようでした。
本作では戦争に勝って、日本の平和は回復したにもかかわらず、浮かない東郷平八郎が描かれています。
戦争の怖さ、恐ろしさを味わって、日常生活に戻れない軍人は多数いると聞きます。
東郷平八郎もその一人だったのでしょう。
前線にはいなかったが、何万という命を預かることによって、精神が疲弊してしまったのではないでしょうか。
一度戦場へ行ったことのある人は、行く前のやすらぎを二度と取り戻せないそうです。
いまでも世界のどこかでそうして苦しんでいる人がいます。
アメリカのように戦争をすれば必ず勝つような国の中にも、そうした「犠牲者」がたくさんいることを、考えてみなければならないのではないでしょうか。