カミカゼ特攻隊以外の若者のことも忘れてはいけない
『人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊』
■監督小沢茂弘, 松方弘樹
■主演
鶴田浩二
■DVD販売元
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
回天特別攻撃隊に任命された若者たちを中心に描いた戦争映画。
人間魚雷回天とは、「天を回らし、戦局を逆転させる」兵器として開発された、特攻用の魚雷です。学徒兵として召集され、訓練も十分に受けていない若者が、魚雷をコントロールするためだけに魚雷に乗せられ、命を散らせていきます。
玉井・朝倉・村瀬という三人の予備士官兵たちも、例外ではありませんでした。
彼らは、特攻することの意味、友人たちの死の意味について疑問を持ちますが、厳しい訓練をやり過ごし、つらい運命を受け入れることしかできませんでした。
それぞれの出撃前夜がつぶさに描かれていて、感情移入してしまってつらかったです。
ただの、前途ある若者が、寿命でも何でもなく、自分の死期を知って幾日かを過ごす、というのはあまりにもむごいことではないでしょうか。
カミカゼ特攻隊は広く世間にしられていますが、人間魚雷については一部の人しかもう知らない。
劇中、「馬鹿なことをしていることを知らしめるために、自分たちが馬鹿なことをするんだ」というセリフがありました。
そんな思いで死んでいった彼らのことを忘れていいはずはありません。
日本の歴史に、彼らがいたことは、絶対に語り継がなければいけない存在です。