暗殺は是か非か!? 日本のテロの歴史を描く!
『日本暗殺秘録』
■監督中島貞夫
■主演
片岡千恵蔵・千葉真一
■DVD発売元
東映ビデオ
■価格
4725円
幕末の桜田門外の変から二・二六事件まで、9つのテロ事件をオムニバス形式で描いたドキュメント・タッチの異色作。全員がテロリストと言ってもいいほどの物騒さですが、当時の東映オールスター総出演であり、「エロの次はテロ!」と本作を企画・監督したのは巨匠・中島貞夫、脚本には『仁義なき戦い』の笠原和夫、音楽は冨田勲と製作陣もオールスター級の作品なのです。
桜田門外の変で強力な殺陣シーンを披露する若山富三郎。
唐十郎たちが軽やかに大久保利通を襲撃。
石井輝男作品でお馴染みの吉田輝男が、大隈重信に向かって爆弾攻撃したのち自害。
菅原文太が安田善次郎を殺す。
とにかく畳み掛けるように物語が進んでいきます。
そして、ギロチン社事件を少し長めに描いたのち、本作のメインである血盟党事件へと続きます。ちょうどこの時期、役者として脱皮を考えていた千葉真一が、人生に絶望し危険思想を持つ活動家・小沼正を熱演しています。また、この作品が映画復帰1作目となる田宮二郎も堂々とした演技を披露しています。
高倉健の相沢事件、鶴田浩二の二・二六事件はアッサリと描かれ、「そして現代、暗殺を越える思想とは何か」というものすごいテロップで本編終了。観賞後は呆気にとられるほど熱気に満ちた狂乱の歴史映画です。
諸々の理由で長らく封印状態でしたが、2011年にめでたくDVD化されました。