生き血を吸われた人間が見るみる風壊する
■監督佐藤肇
■主演
吉田輝男・佐藤友美
■DVD発売元
松竹
ピープロが企画したテレビ特撮シリーズ『ゴケミドロ』が元になっているのは、特撮ファンには有名な話。だからなのか、本作の映像の感触もピープロっぽくザラザラして、どこか心に引っかかるような演出で、冒頭から悲劇的なラストまでグイグイと引き込まれていきます。
ブリタニア大使を暗殺したテロリスト・寺岡は小型旅客機をハイジャック。
その直後、火の玉のようなUFOと遭遇して山に不時着します。
奇跡的に生き残った10人には寺岡も含まれており、スチュワーデスを人質に逃走。
その最中、岩陰でオレンジ色に輝くUFOの中へフラフラと吸い込まれるように入って行きます。
寺岡の額がパックリ割れ、その中へ入って行く宇宙人。
その一部始終を見ていたスチュワーデスは恐怖のあまり記憶を失ってしまいます。
しかし、副操縦士・杉坂に無事救出され、同じく生存者の精神科医により記憶を取り戻します。
その話を聞いた彼らは、自分たちが助かるかどうか分からない状況だけでなく、宇宙人が現れたという恐怖も加わり、異常な状態になっていきます。露骨に自分たちのエゴをさらけ出し、凶行に走る生存者たちは次々に死んでいき……。
トラウマ度が異常に高く、タランティーノなど海外でも多くのファンが存在するのも納得の本作。
観る前に心構えが必要だと思いますが、絶対に震える傑作ホラーSF映画です。