悲しいだけではなく、考えさせられる感動映画
『クリスマス・ツリー』
■監督テレンス・ヤング
■主演
ブルック・フラー、ウィリアム・ホールデン、ヴィルナ・リージ
■DVD発売元
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
ミシェル・バタイユのベストセラー小説『クリスマス・ツリー』の映画化された作品です。
保養地の小島で水爆実験に巻き込まれ、放射能を浴びてしまった少年パスカルは、白血病に犯され急激に病に侵されていき、パスカルの命はあと半年と宣告されてしまいます。
そんなパスカルの「クリスマスまでは生きたい」という願いを叶えてあげる為、父親(ホールデン)が
必死の努力が始まりますが、父親の強い思いが伝わってくる名演技がとても感動的です。
また単なる悲しいだけのファミリー映画で終わらず、フランスでは特に日本以上に原爆に対する警戒が強いそうで、私自身も東日本大震災の後にこの映画を見たので、日本としても放射能や病気について考えさせられる映画だと思いました。
ローランは、パスカルの欲しがるものはすべて与えます。オモチャや車、そして狼を欲しがったパスカルに、動物園から盗みだした狼まで与えます。
そして、クリスマス・イブの日、美しいツリーが飾られ、山のように積まれたプレゼントの数々。
そして最後のプレゼントを買うため外出したローランとカトリーヌが帰ると、クリスマスツリーの下で
パスカルは静かに眠りについていたというシーンは、こんな悲しいクリスマスがあるんだと何度見ても胸が痛くなり、涙が止まりません。
美しい映像やラストシーンの狼の遠吠え、そして清らかなパスカル君の永久の眠りについた安らかな顔を見ると、心が洗われて行くような感じがします。自分が親になってから見たら、より一層泣ける感動的な映画だと思います。