戦争で引き裂かれた愛し合う二人のミュージカル映画
■作品名シェルブールの雨傘
■監督
ジャック・ドゥミ
■主演
カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーボ
■DVD販売元
Happinet
あまりにも有名な「シェルブールの雨傘」の映画音楽。
この音楽を聞くだけでも、切ないシーンが色々と思い浮かび涙が出てきてしまいます。
1964年に公開された「シェルブールの雨傘」(Les Parapluies de Cherbourg)の、監督はフランスのジャック・ドゥミ監督。
この映画はカンヌ国際映画祭でグランプリ(パルム・ドール)を受賞しています。
主演は、カトリーヌ・ドヌーヴで、当時21歳で主演したこの映画のヒットにより、一躍世界的なスターとなりました。
■あらすじ
シェルブールにある雨傘屋の娘ジュヌビエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、恋人のギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)と深く愛し合う仲。
でもある日召集令状が来て、ギイは戦争に行くことになってしまった。
別れる前夜に愛を確かめあう二人。
戦地から戻らないギイを諦め、彼の子を身ごもったまま他の男性と結婚するジュヌビエーヴ。
そして負傷して戻ったギイは他の女性と結婚し、子供もできガソリンスタンドを営む。
時が流れ、クリスマスの日、ギイのガソリンスタンドに一台の黒塗りの車が滑り込み……
■おすすめの理由
ミュージカルなので、会話が全てフランス語の歌で交わされます。
戦争に行く彼を必死で止めようと、私がかくまうから行かないで……とすがるカトリーヌ・ドヌーブの可憐で美しいこと。
名曲に彩られながら「2年も、2年間も私達の人生が……」と唄うセリフは、戦争さえなければと、心の底から悲しみを感じてしまいます。
そして、ラスト、クリスマスの夜、雪の中で交わされる再会した二人の流れるような会話と視線……そこに流れるあの名曲。
淋しげに視線を落とすカトリーヌ・ドヌーヴは、本当はまだ彼に想いが残っているのでしょう。
戦争の兵役が無ければ、連絡さえ途切れなければ、この二人はどうなっていたのだろう……と胸が苦しくなります。
美しい映像、切ないメロディー、可憐なカトリーヌ・ドヌーヴ、全てが満足のいく、悲恋を描いた恋愛映画の最高峰だと思います。
何度観たか数えきれないほど、好きな映画の一つです。