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繊細な子供と愛のない両親「大人は判ってくれない」

ドワネル少年はとにかくやんちゃで、大人に叱られてばかり。両親の仲も悪く、家も居心地が悪い。映画を観ることといたずらをすることで、自分の命を守っています。この作品はトリュフォー監督の自伝的作品と言われています。彼は大人の目線からではなく子どもの目線に立っているため、子供を撮るのが非常に上手です。またトリュフォー作品にとって大人は、多かれ少なかれ敵として描かれています。

投稿記事

子供の目線から描かれた、トリュフォー監督の自伝的作品

作品タイトル
「大人は判ってくれない」
■監督
フランソワ・トリュフォー
■主演
ジャン=ピエール・レオ
■DVD発売元
ポニーキャニオン

トリュフォーの長編第1作。同じくヌーヴェル・ヴァーグの旗手ゴダールの『勝手にしやがれ』と同時公開され(タイムリーに観た人がうらやましい!)、処女長編にして映画史に刻まれることになった作品。カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞。

監督の自伝的作品だと言われています。ドワネル少年を演じるのは、今や大物俳優ですが、まだ初々しきジャン=ピエール・レオくん。少年はとにかくやんちゃで、大人に叱られてばかり。
両親の仲も悪く、居心地の悪い家。映画を観ることといたずらをすることで、自分の命を守っています。
ドワネル少年にとって、映画は大人の世界から逃れて命を守るための、大切な手段だったのです。ずっと映画を観ていられたら、あるいはいたずらの数も減ったかもしれません。

いつも驚くのですが、トリュフォーは子どもを撮るのがほんとうにうまい。大人の目線から紋切り型の子どもを撮るのではなく、子どもの目線に立っているからだと思います。
逆に子どもがいなければ、彼の映画は成立しないのかもしれません。子どもは彼にとって、「映画の精」です。

そして、トリュフォー作品にとって大人は、多かれ少なかれ敵です。彼の作品からは、いつもこんな声が聞こえてきます。

そこの大人、いい加減、少しはわかってよ。あんたも子どもだったんだから。



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