映画/口コミでおすすめの恋愛映画(洋画)

気難しいゴダール監督の能天気な作品「女は女である」

子どもが欲しい女性と、あまり気の進まない恋人のあいだに繰り広げられる、ものすごく多幸感に満ちた作品です。ゴダールといえば付いて行くのがやっとな気難しいイメージの映画監督ですが、この作品はとにかく明るいのです。しかし理知的なゴダールなので、こんな能天気な作品を撮りながらも、様々な作品からの引用が散りばめられており、映画マニアにもたまらない作品となっています。

投稿記事

意見の合わない恋人たちに繰り広げられる多幸感に満ちた作品

■作品タイトル
女は女である
■監督
ジャン=リュック・ゴダール
■主演
アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド、ジャン=クロード・ブリアリ
■DVD/Blu-ray発売元
ハピネット・ピクチャーズ、角川書店ほか


子どもが欲しい女性(アンナ・カリーナ)と、あまり気の進まない恋人(ブリアリ)のあいだに繰り広げられる、ラブストーリーのようなコメディのようなミュージカルのような、とにかくものすごく多幸感に満ちた作品です。何より、「女は女である」という、同語反復でポジティブなタイトルが物語っているではありませんか。世界というものを疑っていないというか。

ゴダールといえば、ものすごく難解で付いて行くのがやっとな映画ばかり撮っている、気難しいイメージの映画監督です。たしかにそうです。でもこんな朗らかな映画を撮っていた時代もあったんです。

実はこの映画が撮られた時期、ゴダールは主演のアンナ・カリーナと新婚ホヤホヤでした。
あるいはそれが本作にも関係しているかもしれません。とにかく明るいのです。

とはいえあくまで理知的なゴダール。こんな能天気な作品を撮りながらも、彼自身の愛するその他の映画作品に対する目配せも忘れていません。様々な作品からの引用が散りばめられています。ですので、映画マニアにもたまらない作品です。

ただ、レンタルビデオショップなどでたまたま手に取って観た、という方でも楽しめるのが本作のすごいところ。ゴダールの最近作については正直そう言える自信がありませんが、こんな作品を撮ってしまったという事実があるので、いくら難解な作品を撮ろうが、どうも憎めない監督なのです。


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