映画/口コミでおすすめのSF映画(洋画)

読書が禁じられた世界で本の楽しみを知った主人公

文字を読むことが禁じられた管理統制社会。主人公モンターグはクラリスという女性との出会いをきっかけに書物に淫していきます。そのせいで、彼は追われる身に……。監督トリュフォーは、だいのSF嫌い。しかしだいの本好き。というわけで特別に許されたようです。映画の冒頭部分で表示されるクレジットやタイトルなどが表示されず、ナレーションだけで紹介されるところ。とても凝った演出でした。

投稿記事

SF嫌いの監督が撮ったSF映画

■作品タイトル
「華氏451」
■監督
フランソワ・トリュフォー
■主演
オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ
■DVD発売元
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

文字を読むことが禁じられた管理統制社会。
主人公モンターグは書物を焼却する消防士ですが、クラリスという女性との出会いをきっかけに書物に淫していきます。そのせいで、彼は追われる身に。まさに命がけの読書が始まります。

じっさい、本好きの人にはたまらないのではないでしょうか。様々な書物が登場します。
モンターグが初めて読む本はディケンズです。

燃やされる本は、たとえばナボコフの『ロリータ』、レーモン・クノーの『地下鉄のザジ』、ゴダールの映画『勝手にしやがれ』が表紙のカイエ・デュ・シネマ誌などです。トリュフォーの趣味のよさがうかがえます。でもたしかに、管理する側からすれば、燃やしますよ、真っ先に。


原作はレイ・ブラッドベリの同タイトルのSF小説。
しかし監督トリュフォーは、だいのSF嫌い。しかしだいの本好き。
というわけで特別に許されたようです。
とはいえイギリスでの撮影は俳優とのトラブルもあり難航。嫌いなSFのささやかな復讐に遭った感もあるエピソードです。

面白かったのは、舞台が文字を禁じる社会であるため、ほとんどの映画の冒頭部分で表示される
クレジットやタイトルなどが表示されず、ナレーションだけで紹介されるところ。とても凝った演出でした。

ちなみに、華氏451とは、書物が自然発火する温度なのだとか。


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