金融商品の運用会社が破綻したとき2~投資信託の運用会社が破綻したとき
次に考えてみたいのは、投資信託などの元本が保証されない金融商品です。毎日時価が変動し、価格が上下動するのも大変なのに、破綻時に保証されないようでは困ります。ところが、こちらは安心なのです。
投資信託はその投資対象(株式とか債券)の時価が日々反映されるため、毎日値動きします。あたかも不安定な商品のように思えますが、株券や債券の数が変動しているわけではありません。また、投資信託の資産は信託銀行が管理することとなっており、投資信託の運用会社や販売会社が直接お金を触れない仕組みになっているのです。
先ほど信託銀行が破綻して大丈夫、と言ったことが同じ理屈で、投資信託の運用会社が破綻しても大丈夫、ということになるわけです。
昨年のAIJ投資顧問会社については、この運用を行う会社が、資産管理を行う海外の信託銀行の情報も管理下に置いてしまったことにより、偽装がなされていましたが、国内で設定されている401k向きの商品で、同様のことはまずないものと考えられます。
運営管理機関やレコードキーピング会社が破綻したとき
401kの運用においては、運営管理機関と呼ばれる金融機関(関連会社のこともある)のホームページを通じて行われます。また、データベースの管理をしているレコードキーピング会社のホームページで詳細のデータもチェックできます。これらの組織が破綻した場合はどうでしょう。こちらも安心です。
運営管理機関やレコードキーピング会社が破綻したとしても、これらの会社は直接お金を触ることができない仕組みです。最初に説明した信託銀行(資産管理機関)しか401kのお金を管理できません。破綻が生じた場合、精算に時間がかかるかもしれませんが、お金が消えてしまうという心配はないでしょう。
働いている会社が破綻したとき
最後に、働いている会社、つまり401kを採用している会社が破綻した場合にも触れておきましょう。仕事もなくなりますし、給料ももらえなくなるわけですが、401kについてはどうでしょうか。実は、これも安心だったりします。
会社から、401kの財産は完全に切り離されており、会社の借金の担保にされたりすることはありませんし、破綻を理由に減らされることも一切ありません。自己責任の運用の結果で減る可能性があるわけですから、それ以外の理由で減らされることのないよう工夫されているのです。
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いろいろな「破綻」の可能性について、401kの財産がどう保護されているか分かったでしょうか? 意外と守られていることを知ってびっくりした人も多いと思います。
きちんと破綻リスクについては対応されている401kです。ぜひ、自分の取る運用のリスクに集中してみてください。
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