歯・口の病気/審美歯科

セラミック治療のデザイン(2ページ目)

審美歯科で行う、セラミック治療のデザインのポイントについてご紹介します。状態やご希望の治療結果に合わせて、「シンプルデザイン」「セミデザイン」「フルデザイン」のセラミック治療を、それぞれご紹介しています。

石井 府中

執筆者:石井 府中

歯科医 / 審美歯科ガイド


各デザインに共通するポイント

セラミック治療のポイント

セラミック治療のポイント

シンプル、セミデザイン、フルデザインの3つのセラミック治療に共通して言えることは、まずセラミックの立ち上がりが歯周ポケットの0.5mm内側から立ち上げられていることで、前方から見たときにセラミックが歯ぐきの中から生えているように見える効果があります。

そのためには、歯ぐきを傷つけることなく0.5mm内部まで正確に歯が削られていて、シリコン系の型どりの材料で精密に模型上に再現されていることが必須です。

次に正面から見た歯軸(しじく:歯の中心線)が目を結んだラインや、口角を結んだラインに対して直角に配列されていることです。これはお顔全体の印象が整っているイメージを与えることが出来ます。

3つめに、歯の裏側も歯の色で作られていることです。大きく笑った時やアップで写真を撮った時に、歯の裏側も歯の色で作られていることにより、清潔なイメージを与えることが出来ます。

最後に、歯ぐきの立ち上がりから先端にかけて、微妙なグラデーションがあることです。色のグラデーションにより、立体感が生まれ、人工的ではない自然な仕上がりにすることが出来ます。特に先端2mmくらいに、透明感を付けて歯が透き通っているように見せることにより、自然な若々しいイメージを与えることが出来ます。
 

全体の色に関して

また、色に関しては元々の歯の色にぴったり合わせてデザインする方法と、周りの歯をホワイトニングすることにより元々の歯より白いデザインにする方法とがあります。

ホワイトニングを併用する場合は、必ずオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用し、白さをしっかりと定着させた上で、色調が落ち着いた段階でセラミックの色を決めていきます。前歯4本や6本を治療する場合、周りの歯と浮かない程度にほんの少し明度を上げることにより、もっとも白く見える歯並びを作ることが出来ます。

いずれのデザインの場合でも、セラミック治療の場合、定期的な噛み合わせの調整やフォローアップのホワイトニング・クリーニングが必要となりますので、長く美しい歯並びを維持するためには、定期的にメンテナンスを行うことが重要となります。

担当医と信頼関係を築くことの大切さ

以上、セラミック治療の基本的なデザインについて解説してきましたが、もっとも大切なことは、患者さん側が抱いている理想の形や色を術者が受け取り、医学的な許容範囲内の中で適正な選択肢を選んでいただけることが全てのスタートラインだということです。

治療に入る前に担当医と十分なコミュニケーションを行い、治療の成功をお互いの共通のゴールとして協力して目指していきましょう。

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