『「つくっては壊す」消費型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切に使う」ストック型社会への転換を目指す』という言葉を、ここ数年の間によく聞くようになりました。

今月14日に、イギリスに拠点を置く国際的な北極海調査研究チームは、今春に実施した北極海の氷に関する実地調査の結果を発表しました。それによると、地球温暖化の影響で海氷域に異変が見られ、「10年以内に北極海の氷の大半が消失する」と警告しているということ。

住宅を建設するにあたっては、材料としての木材を得るために森林伐採が行われ、資材の製造には地球温暖化の原因となるCO2を排出することになります。また、住宅を壊す時にも大量の廃棄物を出したり、CO2が排出されます。
そして、私たちが快適に暮らしていく上では、冷暖房などの使用により、さらに多くのCO2が排出されます。

これからの住宅は、環境も考えながら建てること、リフォームしていくことが必須になったと言えます。

今回は、今後、不動産投資を行う上でも不可欠になるであろう ストック型への住宅政策転換 について、今までの流れを振り返り、また、これからについても見ていきたいと思います。

今までの流れ

今までの流れ
今までの流れ
2007年8月に、国土交通省は「これからの重点政策 ~次世代に引き継ぐ国土づくり・くらしづくり~」を発表しました。

内容は、「世界の成長と活力を我が国に取り込む基盤づくり」、「自立した活力ある地域づくり」、「歴史、風土等に根ざした美しい国土づくりと観光交流の拡大」、「地球環境時代に対応したくらしづくり」、「安全・安心で豊かな社会づくり」の5つの政策を今後の国土交通行政の大きな柱とし、「信頼」、「発信」、「改革」、「挑戦」、「連携」の5つを政策展開のための視点としました。

これに引き続き、翌2008年8月にも「国土交通政策のこれからの方向性(重点政策)」を発表し、住宅関係ではストック形成に向け、新たに次の3項目を提示しました。

1.住宅取得の支援、リフォーム等による良質な住宅の整備、既存住宅流通の活性化など、住宅投資の促進と豊かな住生活の実現
2.社会資本ストックの長寿命化計画策定の推進など、予防保全的管理への転換に向けた戦略的維持管理の推進
3.分譲マンションの適切な維持管理と老朽マンションの再生による将来世代にわたって安心して居住できる良質なマンションストックの形成

また、「住宅セーフティネットの構築」には、「ケア付き住宅の整備促進などによる高齢者の居住の安全確保」という言葉が新たに盛り込まれました。

なかでも、特筆すべきなのが住宅履歴情報の整備、先導的モデル事業の推進等による「200年住宅」の実現ということです。
これは、2007年のこれからの重点政策から提示されているものです。

そして、今年6月4日に「長期優良住宅普及推進法」が施行されたことは記憶に新しいと思います。まさに、質の高い住宅を手入れしながら長い期間使用するというストック重視の政策が本格的に動き出しました。

次ページでは、これからどうなる? について見てみましょう。