企業は広告から商品PRへシフト
クールジャパンを海外に広める!
今までは、商品を販売するため、企業はテレビや新聞、雑誌等に数多く広告を出稿していました。しかし今では、広告よりもテレビ番組内や新聞・雑誌の記事として取り上げられたほうが、良く売れるそうです。実は、これには仕掛け人ともいうべき会社の存在があります。それが商品PR会社です。その商品PR会社の大手が、今回ご紹介するベクトル(6058・東証マザーズ)です。
クールジャパン推進に強みを持つ「ベクトル」
これまで何度も指摘していますが、現在のアベノミクス相場で儲けるためには、国策=アベノミクスに乗った銘柄を選択することが必要です。アベノミクスの成長戦略で重要な「クールジャパン」とは、日本のアニメやゲーム、食文化等、日本の優れた分野のものを海外に広めることです。これにより、日本のゲームやアニメのテレビ番組などを海外に輸出したり、海外から日本への旅行者を増やしたりすることを目的としています。クールジャパンを推進するのに、広告だけではコストが掛かり過ぎて大変です。そこで重要になるのが、ベクトルが強みを持つ商品PRです。アジアの様々な媒体とコネクションを持ち、クライアントの商品を現地のマスコミに取り上げてもらうことが可能になります。隠れた「クールジャパン」戦略銘柄と言えそうです。
【6058】 ベクトル (東証マザーズ)
2012年3月に新規上場したPR会社の大手です。SNSとの連携に強みを持ち、現在アセアン諸国を中心に積極的に海外進出を図っています。広告代理店の場合、大口クライアントの広告出稿量に業績が左右されがちですが、同社の場合、1社あたりの商品PR予算は多くても年間5000万円程度のため、特定のクライアントの動向に左右されにくい構造となっています。商品PRは今後も高成長が期待できる分野です。同社の場合、子会社で数多くの企画・製作会社を持っているので、同業種のクライアントであっても、担当子会社を別にすることにより対応可能です。
■株式データ
株価 2160円(5月27日終値)
単元株数 100株
予想PER(連)19.8倍
PBR(連) 4.56倍
予想配当利回り 0.46%
時価総額 約86億円
■株価の推移
昨年10月22日に安値970円をつけてから、きれいな右肩上がりの堅調相場が続き、今年5月8日には2880円の上場来高値をつけています。5月7日の大量有価証券保有報告(5%ルール)でBNPパリバが22万2000株(5.27%)の報告を行っていることから、好業績に目をつけた外国人投資家の買いもあって大きく値上がりしたようです。しかし、その後は反落し、5月24日には2000円の大台を割り込み1938円の安値をつけました。中長期で見ると13週移動平均線がサポートラインとして機能しており、下値を支える形となっています。
■注目ポイント
商品PR業界自体、今後大きな成長が期待できそうです。その中で大きなシェアを持つ同社は、今後も高い成長が見込まれます。時価総額が100億円を超えれば、中・小型株ファンドの買いも入りそうです。直近の安値1938円を損切りラインにおいて買い参戦するのが狙い目で、利食い目標は前回高値の手前に置きたいところです。基本的には、5月8日の高値2880円近辺と3000円の大台は大きな抵抗帯となりやすいので、その手前で降り、抜けたら再度買いのスタンスがよさそうです。
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