とうもろこしの黄色い色素はルテイン。
ルテインは、人間の体内にも、網膜や血中などに多く存在していますが、体内では生成できないため、毎日食事を通じて継続的に摂取することが大切と考えられています。
原因や治療法の研究が進められる加齢黄斑変性
近年、加齢黄斑変性という疾患のことを耳にするようになりましたが、厚生労働省による原因究明・治療法などの研究が行われる難治性疾患克服研究事業対象の疾患(患者の自己負担分は、国の公費で負担されない)となっています。難病情報センターによると、現在日本の患数は正確に把握されていませんが、一部地域での発生率から推計して、約69万人になるのではないかとい考えられています。加齢にともなうことから70歳以上に多くみられます。
網膜の中心部直径6000μmの範囲は黄斑と呼ばれ、黄斑の働きによって視力を正常に維持し、色の判別を行います。この黄斑が加齢にともなって様々な異常をきたした状態を加齢黄斑変性といいます。
加齢黄斑変性は、血液の中の水がにじみ出てきて黄斑に障害が生じる「滲出型」と、徐々に黄斑の網膜の細胞が減っていく「萎縮型」に分けられます。
加齢や喫煙、生活習慣の影響も
難病情報センターの解説では、「滲出型」については、遺伝の影響もあり、太陽光や血圧なども関わる、いや関わらないという説もありますが、年齢や喫煙などは確実に関わっていると考えられています。また特定のビタミンや栄養素の摂取量が少ないこと、高脂肪食や運動不足などの生活習慣もこの病気に関わっているということもじょじょに明らかになってきているそうです。また医学的にはその影響について明らかにはなっていないのですが、近年LEDライト等の普及が進んでいるため、若い世代にも加齢黄斑変性が増えるなどの影響がでるのではないかと懸念する声もあります。
というのは、LEDライトからは高エネルギーで網膜への負担が高いブルーライトが放出(太陽光からも放出されている)されているためです。黄斑部分はブルーライトの光を吸収し、酸化を防ぐために消費されてしまうと考えられます。ブルーライトについては、これからの研究で、その利用を否定するのではなく、適切な付き合い方も明らかになることが期待されます。