ニキビ痕のタイプと対処法を解説!
ニキビは「思春期のもので、その年齢が過ぎれば綺麗に治る」と思っていると、ニキビ痕が残り後悔してしまうことも。ニキビが治った後に残るニキビ痕にはいくつか種類があります。今回は、ニキビ痕の種類のご説明とその特徴、ニキビ痕を残さずニキビを治すための対処法をご紹介します。
ニキビにも種類があることは、以前の記事でご紹介いたしましたが、一言で「ニキビ痕」と言ってもタイプがあることをご存知ですか。
ニキビ痕は4タイプに分けられます
1.赤み赤み
色素沈着
クレーター(陥凹性瘢痕)
しこり(肥厚性瘢痕、硬結(こうけつ))
・炎症のあるニキビの出来た範囲
・炎症の強さ
・炎症が起こった持続時間、繰り返した回数
・二次的感染の有無
さらにご説明したいのは、ニキビ痕が生じやすい範囲について。
タイプによって、出来やすい部位があるので、その部位にニキビのある方は、ニキビ痕が残らないよう注意していただければと思います。
ニキビが出来た範囲により、生じるニキビ痕のタイプが異なります
4タイプあるニキビ痕のうち「赤み」と「色素沈着」は、どこにも起こる可能性があります。一方、「クレーター」と「しこり」には、生じやすい範囲があります。「クレーター」
クレーターの生じやすい範囲
「しこり」の生じやすい範囲
ニキビ痕になってしまった時の対処法
「赤み」もっとも軽いニキビ痕と言えます。通常数週間~数ヶ月程で自然に改善します。強い赤みの場合には、弱いステロイド剤を外用したり、ビタミンCを外用するとより改善が早まります。
そして特に問題になるのは残りの3タイプ、「色素沈着」「クレーター」「しこり」です。それぞれについて、対処法をご説明いたします。
「色素沈着」
沈着したメラニンを、外に排泄するよう促せば、自然な回復を待つより早くて確実な改善が期待できます。
具体的に、ポイントは2つ。ひとつは、肌のターンオーバーを促進させること。その作用を持つ代表的なものに、グリコール酸、サリチル酸、ビタミンA誘導体(トレチノイン、レチノールなど)があります。もうひとつは、メラニンを漂白すること。漂白成分のあるものを外用します。代表的な成分は、ハイドロキノンです。いずれも使用する際には、医師の指示をお受けいただくことをおすすめします。その他にも、美白効果が認められている成分には、ビタミンC、フラーレン、トラネキサム酸、プラセンタ、アルブチンなどがあります。
「クレーター」
一度出来てしまうと自然に改善することのない厄介なもの。積極的に改善したい場合には、医療機関での治療が必要です。
治療には色々な方法がありますが、代表的なものは、フラクショナルレーザーを代表とする炭酸ガスレーザーやメディカルピーリングです。いずれも、皮膚の真皮に働きかけ、コラーゲン線維の増生を促し、くぼみを盛り上げる効果を期待して行います。通常、1回の施術では満足のいく効果は得られませんので、回数をかける必要があります。また近年では、自分のコラーゲン線維を増生させる効果のある、線維芽細胞増殖因子という薬剤を用いる注射もあります。
「しこり」
クレーター同様、自然軽快はありません。これは、皮膚が深く傷付いた際に残る盛り上がった傷痕と同じ状態です。
積極的に改善したい場合には、トラニラスト(商品名:リザベン)の内服やステロイドの局所注射を行います。いずれも保険適応の治療です。また、赤みを帯びたしこりに対しては、レーザー照射を行う場合もあります。
そして、自分で不適切な処置を行ったり、不要にいじってしまうと、炎症を長引かせる原因にもなり、引いてはニキビ痕を残すことにもなりかねません。また、治癒の過程において、紫外線を過剰に浴びてしまうと、そうでない場合より強い色素沈着が残ることもあります。
傷痕が残りやすい、残りにくい、というのは、もちろん個人差もあります。日頃、自分は傷痕が残りやすい、という自覚のある方は、なおさら注意してニキビ治療に取り組んでいただきたいです。
さて、ここまでニキビ痕の説明をしてきましたが、一番大切なのは、「ニキビ痕が出来てから慌てるより、ニキビ痕を残さないよう早めに治療をする」ということです。そのためには、必要に応じて気軽に医療機関を受診していただければと思います。
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