与えっぱなしで大丈夫? 子どもが好きなPC・スマホ

子どもとパソコン

多くの子どもはスマホやパソコンが大好きです。気になる視力への影響は?

私にも小さな子供がいます。子供はとても可愛いものですが、うるさく泣かれたり、忙しいときに構えと言われたり、どうしてもお菓子をくれとわがままを言い続けたりされると、正直「勘弁してほしいなぁ~」と思ってしまうこともあります。そして子供はスマホやタブレットやパソコンが本当に好きなものです。

私自身も眼科医ですが、自分の子供にスマホを触らせろとせがまれると、「目に悪いよなぁ……」と思いながらも、ついそのままにさせてしまうことがあります。触らせておくと永遠におとなしくしていますので。

ただ、制限なくスマホを与えっぱなしにすることもできません。皆さんも心配されているように、スマホやPCは子どもの目の健康には決してよいものではないからです。

近視は確実? 子どものスマホ・PC利用と目への悪影響

スマホやPCなどの機器が普及してからの日が浅いため、幼少期からの使用が後々どう影響するかは検証できていません。そのため、目に及ぼす悪影響は推定することしかできないのですが、眼科医として日々の診療をする中で感じることをまとめたいと思います。

まず、小さいうちにスマホやPCをたくさん見ていたからと言って、急に黄斑変性症などになったりすることはないと思います。光を見るたびに、黄斑部には老廃物が蓄積され、それが除去され……が繰り返されます。老廃物の除去が追いつかずに蓄積し、黄斑部がいたんでくるのが黄斑変性症です。子供は老廃物を除去する能力が高いと考えられていますので、即座に黄斑変性症の心配はしなくて良いと思われます(ですが、今の高齢者は幼少期にパソコンも何もありませんでしたので、将来的にどうなるかは予測ができません。今の子供たちが高齢になったときにどうなるかは心配しています)。

しかし、近視になる確率は確実に上がってしまうでしょう。もちろん大人もPCなどの使いすぎで近視が進むことがありますが、子どもは大人よりも目の屈折が変化しやすいため、より近視になりやすいのです。これは経験的にみなさんもご存知のとおりだと思います。私の診療している病院にも、近視の子供がたくさん来ます。近視の子どもたちに共通して非常に多いのが、「ゲームをよくするようになってから、急に物が見えにくくなった」という訴えです。

基本、目という器官は、近くの小さいものを見ている時間が長ければ長いほど近視化します。そして、物を見るときの集中度が強ければ強いほど、より近視化すると考えられます。要は、近くの小さいものを長時間集中してみるのが、一番近視化しやすいというわけです。

そして臨床経験上、普通の紙に書かれているものよりも、光り物上の文字などを見ている人の方が、より近視化している傾向があると感じます。となると、小さいゲーム機やスマホ、PCなどは、近視化を進めるにはぴったりというわけです。

子どもの近視化を食い止めるために保護者ができること

子供を近視にさせたくないならば、スマホやPCなどの電子機器にはなるべく触れさせないのが一番でしょう。

何歳くらいまで気をつければいいのかという質問がありそうですが、近視の心配という点だけで言えば、22~23歳ぐらいになるとあまり進行しなくなる人が多いです。とはいえ、さすがにそこまで電子機器を見せない生活は無理でしょう。私自身の子供には、小学校に入るまではなるべく触らせたくないなぁ……と考えています。

多くの人が子どもがPCやスマホを見るのを禁止できずにいると思いますが、その場合は、小休止を必ず挟むようにすることをお薦めします。もしスマホを5分触ったら、必ず5m以上の遠くを、5分間見るようにしましょう。5分ごとの休憩も難しそうなら、ある程度の近視化は覚悟しなくてはなりません。
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