慶応義塾大学の日吉キャンパスにほど近い斜面地に、Mさんが家を建てることを決めたのは今から4年前のこと。裏手に広がる美しい森や遠くには富士山も眺められるという、急な坂道を登った先だからこそ得られる景色に魅せられてのことでした。
そこで以前からテレビ番組等で注目していた、acaa建築研究所の岸本和彦さんに設計を依頼しました。「住宅でありながら街に、あるいは若いアーティストや学生に開かれた建築」というMさんの要望に、岸本さんは開放的なピロティーのある宙に浮いたコートハウスという、エレガントな解答で応えたのでした。

宙に浮く木の箱


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外観
1. 木の箱が宙に浮いたように見えるユニークな外観。斜めにカットされた上部はトップライト。
2. 中庭へ通じる階段状の長いアプローチ。
3. デッキを丸くくり抜いた数人座ってちょうどよいニッチな空間。
4. 天井の低い風の通り道とギャラリーのある中庭が隣り合う。


日吉の駅前を走る交通量の激しい街道から路地に入ると、一転落ち着いた住宅地です。路地はやがて急坂になり、やがてその途中にMさんの家が現れます。遠目には窓の無い大きな木の箱に見えますが、近づくと奥の森に抜ける階段状のピロティーやその先の白い中庭によって、道行く人に開かれた建物という印象を与えています。


◆建築データと建築家プロフィール