そこで以前からテレビ番組等で注目していた、acaa建築研究所の岸本和彦さんに設計を依頼しました。「住宅でありながら街に、あるいは若いアーティストや学生に開かれた建築」というMさんの要望に、岸本さんは開放的なピロティーのある宙に浮いたコートハウスという、エレガントな解答で応えたのでした。
宙に浮く木の箱
1. 木の箱が宙に浮いたように見えるユニークな外観。斜めにカットされた上部はトップライト。 2. 中庭へ通じる階段状の長いアプローチ。 3. デッキを丸くくり抜いた数人座ってちょうどよいニッチな空間。 4. 天井の低い風の通り道とギャラリーのある中庭が隣り合う。 |
日吉の駅前を走る交通量の激しい街道から路地に入ると、一転落ち着いた住宅地です。路地はやがて急坂になり、やがてその途中にMさんの家が現れます。遠目には窓の無い大きな木の箱に見えますが、近づくと奥の森に抜ける階段状のピロティーやその先の白い中庭によって、道行く人に開かれた建物という印象を与えています。
◆建築データと建築家プロフィール