銀行・郵便局/通帳の活用方法

つい忘れがちな通帳の記帳、思わぬワナも!【動画で解説】

銀行の通帳記帳をしていますか? 実は記帳しないことで起きるリスクがあります。銀行によって異なりますが、一定期間、または一定件数が未記帳だと、「合算」されて大切な情報が埋もれる危険性があるのです。

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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通帳の記帳、こまめにしていますか?

キャッシュカードさえあれば、通帳が手元になくてもATMから現金を引き出せますよね。通帳を持ち歩かず、自宅に置きっぱなしだという方も多いと思います。

また最近は、ネットバンキングサービスが充実しているため、店舗やATMに行かず、WEB上やアプリで振り込みや入金確認をしている方も多いかもしれません。在宅勤務の機会が増えて、ますますその傾向が強くなるでしょう。
通帳を使う機会が、昔より減っている方は要注意です!

通帳を使う機会が、昔より減っている方は要注意です!

そんなこんなで、しばらく通帳に記帳をしていないと、入出金などの情報がまとめて記帳されてしまうことをご存じでしょうか。

【動画でも解説!】



私も以前、出産後しばらく銀行に行かず、近所の提携ATMでキャッシュカードを使って現金を引き出し、入出金確認をWEB上でしていました。通帳を使わずに数カ月たってから久しぶりに記帳してみると、数カ月分の情報が「合算」で記帳されたことがあります(その間の明細は、後日もらうことができました)。
 

銀行によって通帳の合算ルールは異なる

実は、こういう事例はよくあるようです。以下、主な銀行の合算ルールについてお伝えします。

■みずほ銀行(普通預金、貯蓄預金)
年4回の時期に、100件以上の未記帳があると合算に
2月、5月、8月、11月の各第2土曜日の1カ月前応当日(=記帳基準日)で、通帳に記帳されていない取引が100件以上になると、まとめる対象になります。2月、5月、8月、11月の各第2土曜日の前営業日営業終了後に実施されますが、そのときまでに記帳すれば大丈夫です。

■三菱UFJ銀行(普通預金、貯蓄預金)
3月、9月の月末営業日時点で判断
3月と9月の月末営業日時点で、通帳に記入されていない明細が一定件数以上ある場合、5月と11月の第3土曜日にまとめて記帳されます(=「合計記帳」という)。ただし、3月(9月)の月末以降、5月(11月)の第3土曜日までに記帳しておけば、まとめて記帳されないので大丈夫です。

■三井住友銀行(普通預金)
6カ月以上、100件以上の未記帳で合算に
6カ月以上にわたって通帳に記入がない場合、100件以上未記入の明細件数がある場合は、合計額のみがまとめて記入されます(=「おまとめ記入」という)。

■りそな銀行(普通預金)
年2回、100件以上などの条件により合算
実施月の前々月末時点で100件以上記帳がない場合、または最終取引日から1年が経過し、かつ30件以上記帳がない場合、実施月に合計金額がまとめて記帳され、「一括」と表示されます(=「一括記帳」という)。実施月は取引店ごとに異なるため、取引がある本支店に問い合わせてください。

■ゆうちょ銀行(通常貯金)
30行を超えると合算になります。※2018年10月より明細書の自動送付がなくなりました。
未記入の取り扱いが30行を超えた場合、通帳には入金・出金の合計件数、合計金額がまとめて(合算)記入されます(※以前は、合算された期間の明細書が自動的に自宅に送られてきましたが、2018年9月30日の合算分から廃止されたので要注意です)。

ちなみに、ゆうちょ銀行の場合は、合算された取引明細の内訳は、直近5つの合算分(1年以内の内訳に限る)までなら、窓口にて無料で「通帳未記入金内訳書」の発行が可能です(今後「取引履歴(通帳未記帳分)のご案内」を郵送してほしい場合は、窓口で手続きを)。

基本的には、銀行で合算になった期間の明細をどうしても見たい場合は、電話や窓口でお願いする必要があります。基本的に無料ですが、取り寄せるためには少々時間がかかります。

※ちなみに、他の提携銀行のATMを利用する場合、通帳記帳ができないことがほとんどです(例:三菱UFI銀行と三井住友銀行で、キャッシュカードによる引き出しなど、ATMの相互利用ができるようになりましたが、通帳記帳はできない)。事前に銀行のHP等で調べてから記帳に行きましょう。
 

合算されることで大事な情報が埋もれてしまう可能性も

通帳の記帳は、「国民年金保険料をきちんと支払った」「ネットショッピングで確かにお金を振り込んだ」などという事実の証明で使えるケースもありますので、意外と侮れません。また、事業をされている方は「売上金が振り込まれたか」「経費を振り込んだか」などの確認も必要だと思いますので、要注意です。

「ネットバンキングを利用しているから、いつでもWEB上で入出金が見られる」と思っていても、大手銀行のネットバンキングでは2カ月程度しかさかのぼれないケースもあります。

いつの間にか記帳が合算されてしまい、給与振込やクレジットカード引き落としの履歴など、大事な情報をすぐ確認できなくなってしまうと困りますよね。

「オンライン化している世の中なのに……」と思われるかもしれませんが、通帳を使っている方は、記帳はまだまだ大事です。上記の各銀行の合算ルールを参考にしていただき、定期的に記帳しておくことをオススメします。

また、最近はWEB通帳も増えてきました。記帳するのが面倒な方は、WEB通帳に切り替えるのも手。WEB通帳なら、入出金情報を10年間など(銀行によって異なります)長い期間見ることができ、通帳を紛失する心配がないのもメリットです。

スマホアプリでも便利に利用できるようになりましたので、試しにアプリを入れておいて、うまく使いこなせそうであればWEB通帳に切り替えるのも一つの手でしょう。
 

通帳の手数料がかかる前に、WEB通帳に切り替えても

特に大手銀行で通帳の有料化が進んでいます。例えば、みずほ銀行では2021年1月18日以降に新規口座開設をする方は、通帳発行手数料が1冊1100円かかったり(70歳以上は無料)、三井住友銀行では2021年4月1日以降に新規口座開設する方は、通帳発行手数料が年550円かかったりと、今後通帳を利用しているだけで手数料がかかる可能性があります(2年以上ネットバンキングで入出金がなく、残高1万円未満の場合は、口座維持手数料年1100円かかります。ただし、通帳は18歳未満と75歳以上は無料)。

頻繁に使わない口座を中心に、WEB通帳への切り替えを検討してもいいでしょう。


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