激しく、質の高いバトルが展開
1994年に全日本GT選手権が本格的なスタートを切って以来、ニッサン、トヨタが参戦、そして1997年にホンダが本格参戦したことで始まったGT500クラスのワークスマシンバトル。2013年シーズンはこの20年にわたるSUPER GT花形クラスの第一章のフィナーレであり、集大成とも言える1年になる。そのため、3メーカーは最後の1年にチャンピオンをつかみとろうとシーズンオフから精力的にテストを進め、育ててきたGT500マシンの最終フェーズに最大限の努力を注いできた。GT500クラスのホンダHSV-010GT
ホンダ陣営はDOMEが走らせる18号車「ウイダーモデューロHSV-010GT」にミシュランタイヤを装着。一方でレクサス陣営はミシュランタイヤ装着で好調だった39号車「DENSO KOBELCO SC430」をブリヂストンにスイッチさせて、SC430+ブリヂストンを5台体制に増やして強力なスクラムを組んできた。また、2年連続のチャンピオンを獲得したニッサンはチャンピオンコンビの柳田とクインタレッリを本ワークスのNISMO・23号車「MOTUL AUTECH GT-R」に乗せ、タイヤをミシュランにスイッチ。どの陣営もそれぞれのアプローチで体制強化を図ってきたところからも3メーカーの最後の1年にかけるプライドが垣間見える。
また、ドライバー面でもホンダの伊沢拓也、塚越広大、山本尚貴、レクサスの大嶋和也、国本雄資、平手晃平、石浦宏明など、それぞれのメーカーの育成カテゴリーから上がってきたドライバー達がトップドライバーに成長。ニッサン陣営はF3マカオGPで優勝争いを演じ、GT300でも結果を残した関口雄飛をチャンピオンチームの1号車「REITO MOLA GT-R」に乗せ、ベテラン本山哲と組ませるなど、若手の台頭も目立つ。
開幕戦を制した伊沢拓也と小暮卓史のコンビ。今年は若手とベテランの最速HSVドライバーが#100「RAYBRIG HSV」を走らせる。
【写真提供:SUPER GT】
これまで経験が大きくモノを言うと言われたGT500だったが、最近は若手ドライバーたちがこのビッグパワーマシンを見事に乗りこなし、ギリギリの接近戦で接触寸前まで攻めながらもクリーンなバトルを披露する姿が印象的だ。ドライバーの成長、選手層に厚みが出てきたことも今年のGT500の面白さをさらに増幅させている。この20年で最も素晴らしいバトルが展開されているのが2013年シーズンだ。
ぜひ現地観戦したい、今年のGT
GT300クラスで闘うプリウスGT 【写真提供:SUPER GT】
GT500クラスだけではない。GT300クラスでは第2戦の富士スピードウェイでハイブリッドシステムを搭載する31号車「Panasonic apr Prius GT(プリウス)」が優勝。ホンダも2台のCR-Zを投入し、次世代GT500にも通じていくであろう技術が優勝争いを展開しているし、そこにマクラーレンMP4-12C、メルセデスSLSなど世界のスーパーカーが応戦、とGT300クラスは今年も話題が尽きない。GT300クラスについてはまた別のタイミングで詳しく特集しよう。
「SUPER GTを見てみたい」という方には、テレビでの観戦も楽しいものになること間違いないが、やはり今年は驚くほど速いGT500マシンが見れる最後の年になるので、サーキットでの現地観戦をぜひともおススメしたい。現行のオリジナルマシンによるGT500の時代はきっと、後の時代にも「伝説」として語り継がれることは間違いない。見ておかないと絶対に損だ!
(今後のスケジュール・国内)
7/27-28 スポーツランドSUGO(宮城県)
8/17-18 鈴鹿サーキット(三重県)
9/7-8 富士スピードウェイ(静岡県)
10/5-6 オートポリス(大分県)
11/2-3 ツインリンクもてぎ(栃木県)
11/22-24 富士スピードウェイ(静岡県)※
※ はFUJI SPRINT CUP。GT500とGT300でクラス別に走る特別戦となる。
チケットは各開催サーキットのホームページやSUPER GTの公式サイトで案内される。チケットの発売時期はイベントごとに異なるので、先にスケジュールを決め、ホテル等はできる限り早めに予約を入れておくのがベター。
【2013年 レースダイジェスト動画】(You Tube)
Rd.1 岡山国際サーキット
Rd.2 富士スピードウェイ
【公式サイト】
SUPER GT