金額指定で売買できる投資信託はNISA向き
NISAのメリットを生かせる金融商品を選ぼう
さて、実際にNISAの口座を使って投資する場合、どの投資商品を用いたほうがよいのでしょうか。まず、個別銘柄と株式投資信託のどちらがよいのか、という選択に悩むと思いますが、使い勝手という点で考えると、株式投資信託に軍配が上がります。
個別銘柄のほうが期待リターンは高くなる可能性があるのですが、問題は毎年の非課税枠である100万円ぴったりで投資できないことです。
たとえば1単元100株で、1株の株価が3500円の銘柄があるとしましょう。1単元の購入金額は、手数料を省いて考えると35万円。これを3単元買うと、総額は105万円で5万円オーバーしてしまうため、2単元までしか買えません。
つまり、非課税枠ギリギリまで投資しようと思っても、この銘柄だけに投資するのであれば、合計70万円分までしか投資できないのです。
ロールオーバー時にも問題が生じます。NISAは預けた年から起算して5年目の年末に1度だけロールオーバーできます。もし投資対象が値上がりして100万円を超えていた場合は、その超過分のみを売却し、100万円分をロールオーバーすることになりますが、これも個別銘柄の場合だと、なにかと不都合が生じます。
たとえば前出の銘柄の株価が6000円になっていたとしましょう。2単元を保有していますから、合計金額は120万円になります。しかし、個別銘柄の場合、20万円分だけを売却するわけにはいきません。そのため1単元分を売却することになり、NISA口座でロールオーバーできるのは1単元のみになってしまうのです。
同じことはETF、J-REITにも当てはまります。しかもJ-REITの場合は、3月末までの価格上昇で最低投資金額が100万円を超える銘柄もあり、NISA口座を使って投資するのが難しい状況です。
このように考えていくと、結局のところ、NISAで一番投資しやすいのは株式投資信託ということになるのです。
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