千代田区・新宿区は上昇から横ばいで推移
都心各区の2008年1月から11月までに販売された新築マンションのうち、坪単価が明らかになっている物件の平均をみると、千代田区は430万円台で2007年の400万円台から6.3%のアップ。新宿区は370万円台で0.6%上昇ですから、ほぼ横ばいといっていいでしょう。ただ、千代田区は2007年に比べて戸数が10分の1以下に減少しているので、参考程度にとどめたほうがいいかもしれません。それに対して、新宿区は2007年の760戸台から910戸台にむしろ増加するなかでの横ばいと安定しています。この新宿区について、東京カンテイ市場調査部 上席主任研究員・中山登志朗氏はこう分析しています。「新宿区は50 m2前後の都市型コンパクトタイプのマンションが主流で、都心でも港区や千代田区、渋谷区などに比べてグロス価格がさほど高くないこともあり、ディンクスなどを対象に安定的に売れているようです」
中央区・文京区の坪単価は若干の低下
中央区と文京区は若干ですが、平均坪単価が低下しています。文京区は2007年の平均坪単価360万円台に対して、2008年は350万円台で3.5%のダウン。中央区は320万円台から300万円台に、4.1%のダウンとなっています。若干の低下とはいえ、この市況悪化のなかでは、比較的堅調に推移しているとみることができそうです。しかし、両区ともに供給数は大幅に減少しています。文京区は2007年には970戸台だったのが、2008年は370戸台。中央区も610戸台から290戸台と、半数以下に減少しています。平均専有面積は両区ともほぼ50 m2前後で推移しており、さほど大きな変化はみられないようです。
■23区都心 相場情報(千代田区・新宿区・中央区・文京区)
(単位:坪単価=万円、平均専有面積=m2)
行政区名 | 項目 | 2006年 | 2007年 | 2008年 (1~11月) |
千代田区 | 分譲戸数 | 321 | 765 | 41 |
平均専有面積 | 51.73 | 55.27 | 48.46 | |
平均坪単価 | 365.7 | 408.8 | 434.7 | |
新宿区 | 分譲戸数 | 1,838 | 769 | 914 |
平均専有面積 | 52.21 | 40.99 | 48.88 | |
平均坪単価 | 333.3 | 369.0 | 371.0 | |
中央区 | 分譲戸数 | 616 | 614 | 290 |
平均専有面積 | 44.05 | 49.13 | 52.03 | |
平均坪単価 | 307.1 | 322.6 | 309.3 | |
文京区 | 分譲戸数 | 747 | 971 | 373 |
平均専有面積 | 48.53 | 53.74 | 52.86 | |
平均坪単価 | 317.0 | 367.6 | 354.7 |