「無意識」は、どこからやってくるのか
食育の観点から開催されている親子クッキングなどのランチワーク
高:「ママたちのカウンセリングなどでお話を伺って、結局最後にたどり着くのは幼少期の経験だったり。ということはいまあなたが育てているお子さんの年代が、時期がとても大切なんです、ということが言えると思うんですよね。大きくなってからそれを回収することはとても時間と労力が要求されることになりますから」
高:「当たり前のことがとても大切な行動選択の基礎を作っていると思います。例えば一緒にランチタイムを取る、家で料理を作る、夕食を共に食べる。そのどれもがいわゆる食育に繋がっているんですが、あまりそんな風には意識されていない。意識していない部分が子どもの中に無意識を作りあげていく。夕食のほとんどを外食で済ませる家庭で幼少期を過ごしたお子さんは将来無意識に外食やお惣菜を並べるママになったりする。でも、どうしてそうなるか、本人は判らなかったり。その答えは単純に『そうやって育ってきた慣れ親しんだ、当たり前のものだから』なんです」
本人がそうやって幼少期に慣れ親しんだものへ、人は無意識に戻っていく。それが本当は快適でないとしても、なぜか心地よく感じるからなんです。マクドナルド社長のお話に「人間は10歳までに食べたものを舌が記憶し、成人後に必ず戻る」というものがありますが、そのくらい幼少期に触れたものは五感で記憶し、深く潜在意識に刷り込まれその人の人生のベースを作っていきます。やがて大人になり、当然のようにそれを選択するようになる。理由はただ一つ「そうすることが心地いいことのような気がするから」。その正体は幼い頃五感で覚えた「これが正しいこと(快適なこと)」という脳の思い込みから発生しているのですが、そこには気づかずに「どうしてわたしはいつもこうなってしまうのだろう」と苦しんでいるママたちが多いのが、実は苦しさの正体だったりしているのです。
ママたちが楽になっていくツールとして、専門家はなにを提案するのでしょうか?